受験生のための 詳しすぎる 城西大学理学部化学科

受験生のための
詳しすぎる 城西大学理学部化学科

目次

城西大学理学部化学科の所在地(行き方)

城西大学理学部化学科は、城西大学坂戸キャンパスにあります。「化学科」という学科は日本全国で30校近い数の大学にありますが、埼玉県の私立大学では城西大学だけにある学科です。1学年あたりの入学定員は90名で、化学科としては大きな規模になっています。
城西大学坂戸キャンパスには理学部のほかに、社会科学系の経済学部現代政策学部経営学部があり、医療系の薬学部、さらに城西短期大学もあります。理学部には、化学科のほかに数学科もあります。城西大学は、大学院や短期大学も含め、総学生数は約8,209人です。城西大学には、化学科がある城西大学坂戸キャンパスのほかに、東京都千代田区に東京紀尾井町キャンパスがあります。理学部数学科と城西短期大学は、東京紀尾井町キャンパスで学ぶことも選択できます。
理学部化学科がある城西大学坂戸キャンパスの場所を説明します。所在地は埼玉県坂戸市けやき台1-1です。鉄道で説明すると、東武東上線「坂戸」駅から東武越生(おごせ)線に乗り換えて3つめの「川角」(かわかど)駅で下車、歩いて10分ほどで城西大学の正門につきます。正門から一番近い校舎が理学部化学科の校舎です。JR八高線では、八王子方面からですと「高麗川」(こまがわ)駅からシャトルバスで30分、高崎方面からですと「越生」(おごせ)駅で東武越生線に乗り換えて「川角」(かわかど)駅下車になります。「川角」(かわかど)駅は小さな駅ですが、日本医療科学大学、明海大学歯学部、埼玉平成高校の利用駅にもなっているので、大学生や高校生の利用がとても多い駅です。西武池袋線「飯能」(はんのう)駅からもシャトルバスがあり、「坂戸」駅からは女子学生のためのバスも運行しています。
理学部化学科学生の女子の割合は、例年ほぼ2割。3割の時もあります。学ぶなかでは男女とも同じです。当然ですが、教員にも女性の先生がいます。
教室で気になることは、夏冬のエアコンと帰りの時間でしょうか。理学部化学科の専門科目や実験実習、研究などは、正門に近い1号館という校舎で行います。古い建物ですが、全館冷房、暖房ともに完備。そのほかの教室や食堂、図書館なども全館冷暖房完備です。授業が何時に終わるのかですが、通常授業の第4時限は16時40分終了です。特別に教職課程や資格取得講座などを学ぶ人は、これよりも遅くなる日もあります。「城西の人」にも在学生や卒業生として掲載していますので、ご覧ください。

理学部化学科の研究分野

城西大学理学部化学科に話を進めましょう。最初に理学部化学科の研究分野から説明します。
理学部化学科は19名の教員、6分野17研究室から構成されています。化学科の教員はナノテクノロジー、先端材料、新エネルギー、環境など最先端分野で活躍しています。例えば、有機太陽電池や有機分子磁石など世界でまだ誰も創ったことのないものを研究開発しています。化学のさまざまな分野およびコンピューターサイエンスやナノサイエンスといった先端的な境界領域までをもカバーしています。
理学部化学科の6つの分野と研究室の名前をあげてみます。内容はそれぞれをクリックしてもらうと、その研究室のホームページにつながっていますから、興味ある分野や、「これは何か分からない」といった分野をクリックしてみてください。
ところで「6分野」の構成とは何でしょうか。城西大学理学部化学科では、化学の基本として「物理化学」「分析化学」「無機化学」「有機化学」の4分野に、特色としての「量子化学」「生命化学」を加えて「6分野」構成にしているということです。以下に6分野と研究室を示しますが、本質的には研究室の研究内容がその分野に限られるものではありません。

理学部化学科の6分野

理学部化学科の学び

先に、城西大学理学部化学科は「化学のさまざまな分野およびコンピューターサイエンスやナノサイエンスといった先端的な境界領域までをもカバーしています」と述べましたが、最初にナノ機能化学の研究開発に携わる宇和田貴之先生の研究室を紹介します。これまでにも「ナノ」の言葉が出てきていますが、「ナノ」は10億分の1のことです。たとえば「1ナノメートル」は1メートルの10億分の1のことです。宇和田貴之先生のナノ機能化学研究室は、ひと言でいえば光る物質を作る研究室です。
「光る」という現象は、あるモノに光を当てると、別の色の光を発することを指します。皆さんがご存知のLED照明は青色の光を緑、赤に「光る物質」に当てることで、青、緑、赤色が混ざって白く光っているのです。
通常光るモノは炭素(有機分子)で作られていますが、炭素はよく光るものの脆いという弱点があります。そこで我々が着目したのが金属です。しかし金属は小さく小さく作らなければ光りません。我々の目標は、よく光り、丈夫な、数ナノメートルの金属微粒子を作ることにあります。
目標の鍵を握るのは、タンパク質の「穴」です。膨大な種類のタンパク質の中には、真ん中に穴が開いたものがあり、この穴を使って金属を作ることができます。同じタンパク質は全てが同じ形をしています。そのため穴の大きさは常に一定であり、同質の金属微粒子を大量に生み出せるメリットがあります。我々は貝が真珠を作る現象(バイオミネラリゼーションと呼ばれます)を人工的に顕微鏡の世界で再現しているといえます。
当然ですがタンパク質は人体に無害であり、体内に取り込むことができます。そのため、例えばガン細胞に付くタンパク質と金属微粒子のセットを体内に送り込み、そこに光を当てればガンを発見することができます。この研究はいま医療分野からも大きな注目を集めています。
ナノ機能化学研究室に配属されて学んだ安部さんは、次のように語っています。
「宇和田先生の光る物質に関する授業で、私は無色透明だとばかり思っていた分子を、色を使うことで視覚化できることを知りました。一見化学とは無縁に思える光と色の世界。その世界をもっと知りたいと思ったことが、ナノ機能化学研究室に興味を持ったきっかけでした。4年生になり、研究はこれからですが、顕微鏡の中のカラフルな世界をこれから1年かけて探究したいと思います。将来は化学の知識を世の中に役立てたいという思いと、警察で働くという夢を叶えるべく、鑑識官を目指したいと思っています。城西大学ではそうした就職に関する情報も授業などで早くから収集することができ、安心して就職活動に臨める環境が整っているといえます。」
血液にルミノールと過酸化水素を加えると強い光を発します。ドラマでもお馴染みの鑑識官は化学を駆使するスペシャリストともいえるのです。

理学化学科で環境負荷が少ない色素増感型太陽電池を研究する「分子フォトニクス研究室」

次に、太陽電池について研究している、分子フォトニクス研究室を紹介します。ちょっと難しいかもしれませんが、「研究室紹介」をそのまま転載してみましょう。
 
環境負荷が少ない色素増感型太陽電池は多方面から注目されており、実用化に向けて光励起色素の高速電子注入反応、半導体電極の多孔質化と大面積化(光電変換電極:アノード)、白金電極の酸化還元能向上(対極:カソード)などの研究が行われています。このタイプの太陽電池は、生産コストが低く抑えられ支持基板を軽量化でき柔軟性を持たせられるので、15%以上のエネルギー変換効率と長期耐久性が実現されれば、市場での競争力は十分にあります。我々は、(1)近赤外域での光電変換効率が十分に高く、(2)半導体電極中の電子移動度が大きく、(3)カソード電極上での酸化還元反応効率が高く、(4)励起色素から半導体電極への電子注入速度及び電解質液の電子輸送子から色素正孔への電子注入速度が十分に速く、(5)競合する電荷再結合速度が十分に遅い、という条件をすべて満足する半導体ナノ粒子・色素・電解質液・カソード触媒の組み合わせを実現して、長期間の実用運転が可能な有機系太陽電池の開発を目指します。

理学部化学科の特色「生命系」

次に、城西大学理学部化学科の特徴の一つ、「生命系」をみていきましょう。
「生命系」の講義や研究の充実、これは生命系が充実した城西大学理学部化学科ならではの特色の一つです。
では、化学科はどのように生命系の講義、研究が充実しているのでしょうか。
まず、生物系の講義を各学年に配置し、基礎からバイオテクノロジーまで学習することがあげられます。生命系の講義科目、生命系の実験実習科目を列記してみましょう。

●生命系の講義科目
1年次:生命科学入門、生物学
2年次:生物学概論、生化学
3年次:分子生物学I、生体機能生化学、バイオ技術
4年次:生命化学特論

●生命系の実験実習科目
では、生命系の実験実習科目を紹介しましょう。
「生物学実験」では、生物資料集に出てくるような実験を数多く行っています。カフェインの作用では自らカフェイン飲料(コーヒーなど)を飲み、集中力が変化する実験も行っています。
その実習内容を列記してみます。
オオカナダモの観察、光合成と呼吸、アメリカザリガニの解剖、色素胞の観察、アミラーゼとヨウ素デンプン反応、カタラーゼの抽出と酵素反応、被子植物の維管束構造、体細胞分裂の観察、細胞からのDNA抽出、ウニの受精と初期発生、ゾウリムシの観察、血液凝固と血球の観察、カフェインの作用など

「生化学実験」では、自分の毛髪からDNAを取り、遺伝子を同定する実験のようなバイオテクノロジーを学びます。
こちらも実習内容を列記します。初めて読むと、ちょっと分かりにくくてごめんなさい。
リンゴ酸脱水素酵素の活性測定、セファデックスG-25によるヘモグロビン溶液の脱塩、バクテリアの取り扱いと培養、毛髪からのゲノムDNAの調製とAldh2遺伝子の増幅、薄層クロマトグラフィーによるアミノ酸の同定、SDSゲルスラブ電気泳動によるタンパク質の質量測定など
 
●約1/3の研究室が生命系研究を行っています
生命系5研究室では、鳥、魚、カエル、ショウジョウバエ、蝶など多種多様な生物を対象に研究を行っています。次の研究室が生命系研究を行っている研究室です。

環境生命化学研究室
分子分光学研究室
分析化学研究室
生体分子生物学研究室
生化学研究室

具体的な話題をあげて、紹介しましょう。まず、化学科の生体分子生物学研究室の話題です。
魚類の胚は孵化のタイミングで孵化酵素と呼ばれる酵素を分泌し、それまで自身を保護していた卵膜を分解して孵化します。魚類の進化過程で早くに誕生したウナギなどは1種類の孵化酵素で卵膜を柔らかくして孵化しますが、後から誕生したメダカなどは2種類の孵化酵素を持っていて、一方が卵膜を柔らかくし、もう一方が可溶化することで孵化します。この2種類の孵化酵素は進化過程の遺伝子重複で生じたため、もともとはどちらも同じ機能(卵膜を柔らかくする)をもっていたものが、長い進化過程に少しずつ遺伝子の配列が変化した結果、一方が卵膜を可溶化する酵素へと“新規機能獲得”したと考えられます。そこで、可溶化酵素は遺伝子のどの配列が変化したために膨潤化酵素から可溶化酵素へと変化したのかを調べるため、分子生物学的手法と組換えタンパク質作製技術で、研究室内で人工的に様々な配列の孵化酵素を作製して、新規機能獲得の鍵となるサイトの同定を目指しています。
もう一つ、これは環境生命化学研究室の話題です。
それは、遺伝子解析で水圏生物の進化学的・生態学的問題を解明する試みです。
その1:進化史の解明:
ミトコンドリアゲノムを解析することで脊椎動物のおよそ半数を占める分類群である“魚類” の進化史の解明を試みています。
その2:遺伝的多様性解析:
水質の悪化や外来種の影響で絶滅が危惧される在来水圏生物を対象に、遺伝的集団構造と多様性の現状把握を行っています。
その3:DNA鑑定:
DNAレベルで差異を検出する簡易な識別法を開発しています。最近は、環境DNAを用いた環境モニタリング手法の開発にも取り組んでいます。

理学部化学科のカリキュラム

例をあげて城西大学理学部化学科の特色をみてきましたが、それは「最先端の化学を通して科学のさまざまな基礎を学ぶ」という領域の広さを知ってもらうためです。
カリキュラムの説明をしましょう。
城西大学理学部化学科のカリキュラムは「一人ひとりの将来の夢・進路にリンクした履修プログラム」を目指しています。
最近では、科学の領域がどんどん広がって、化学や情報、物理、生物の間の垣根も無くなってきています。城西大学理学部化学科は、化学に加えて、情報科学、分子物理学、生命化学を専門とする多くの教員が在籍していることを生かして、「物質・情報科学」「合成化学」「生命化学」「一般科学」の4つの履修コアプログラム(2年次以降)を柱とする教育プログラムを実施します。
1年次は基礎教育プログラムで、大学教育がどのようなものかを体得し、自らの希望する卒業後の進路に合わせて2年次以降の履修コアプログラムを選択できるようにしています。
1年次後期の「化学基礎セミナーII」で実験実習ノートの取り方、安全な実験の進め方、レポートの書き方など実験の基礎を身につけた上で、2、3年次では 「基礎化学」「無機化学」「分析化学」「物理化学」「有機化学」「生化学」など専門的な実験実習に取り組みます。これらは1週間で1つの実験が終わる仕組みです。
2、3年次の授業科目は、全て選択科目になっています。履修コアプログラムの適切な選択により、高度で厳密な内容の履修を期待する学生からの要望、物理や微分・積分の履修に疑問困難を感じる学生からの要望に、共に応えるようにもなっています。
4年次は卒業研究です。コアプログラムでしっかりと基礎を身につけることで、最先端化学に対応できるようになります。4年次になると、学生各人の希望する専門に沿った17研究室にそれぞれ所属し、卒業研究を進めます。研究室ゼミナールで研究テーマを深く理解しながら平行して最先端機器を用いた実験技術を磨いてゆき、卒業研究へとつなげてゆきます。各人が獲得した実験結果やアイデアは中間報告会などで発表することにより、論理的なプレゼンテーション技術が向上します。このプレゼンテーション能力は就職活動に必要であるばかりではなく、社会人になったとき大変役に立っています。

あらためて、城西大学理学部化学科のカリキュラムに一貫している特徴を考えてみましょう。それは、実験実習をとても重要視している、ということです。
実験は講義で受講した理論の本質的な理解に繋がるばかりでなく、将来必要となる実験技術を習得する貴重な機会です。また、実験を行う際、綿密に実験計画を立てることで、主体的に物事に取り組む姿勢、先を読みながら効率よく物事を進める合理性を養います。
具体的には、実験実習を行うに際してはあらかじめ指導の先生に計画書を提出し、これをもとに一段階ずつ実験を展開します。先生とティーチングアシスタントが親切な指導を行うため、着実に実験技術を習得しながら確実に実習実験を進める事ができます。2~3年にかけての実験実習で、ガラス器具を使用したものつくりはもとより、化合物の性質を検証し、分子の性質を計測することも行ないます。これらの計測機器の中にはクロマトグラフィーや各種分光光度計はもとより、生体高分子の計測を行う飛行時間型質量分析装置といわれる最新鋭機も含まれます。実験結果をもとに考察し、レポートにまとめることで、文章力や論理的思考力を身につけます。
このように3年次までに実験技術や思考力の基礎を固めた上で、4年次の卒業研究に進みます。4年次には希望に沿った研究室に所属し、1年間ゼミナールでテーマを理解しながら担当教員の指導のもと、最先端の研究に取り組むことになります。

理学部化学科の就職

理学部化学科の就職状況について説明します。
城西大学では、「就職部就職課」で、キャリアコンサルタントによる就職相談を受けられます。「キャリアコンサルタント」は就職相談ができる国家資格です。2017年度には6名の相談員が学部別に進路相談に当たっています。つまり、理学部学生のための相談にのってくれる、ということです。
ところで、就職先を説明するときに大切なことがあります。私たちは、最終的な商品を販売している会社やコマーシャルを流している会社は知っていても、化学物質が私たちの生活にそのまま見えてくることはありません。理学部化学科の卒業生が学んだことを生かして活躍している会社は、なかなか私たちの普通の生活には出てきにくいのです。
城西大学理学部化学科を2017年3月に卒業した人の中で、製造業、つまり「モノづくり」の会社に就職した人の割合は32.7%。城西大学の他の学部に比べ、圧倒的にその比率や人数が高くなっています。就職率は女子100%、男子93%でした。女子2人、男子12人は大学院へ進学しました。
次の会社名は、平成28年3月に理学部化学科を卒業した学生の、主な就職先としてホームページに掲載したものです。まずは、2年間の就職先(会社名等)からご覧ください。

(2017年3月卒業生)
㈲竹内園芸、大和ハウス工業㈱、㈱ジェイペック、富士コントロール㈱、㈱ブルボン、三協食品工業㈱、㈱新保哲也アトリエ、スリースター製菓㈱、中本パックス㈱、㈱高純度化学研究所、白元アース㈱、日本化学産業㈱、日本合成化工㈱、オリエンタルメタル㈱、中外鉱業㈱、日東金属工業㈱、栗田アルミ工業㈱、㈱サンテックス、平和産業㈱、㈱池田硝子工業所、コンピュートロン㈱、㈱ジャステック、㈲ブレインズ・ベース、㈱クレアビジョン、西武商事㈱、㈱八洋、堀川産業㈱、㈱ベイシア、㈱ヨドバシカメラ、㈱ENEOSフロンティア、長野県労働金庫、㈱サンキョウホーム、内藤環境管理㈱、㈱ソシエ・ワールド、埼玉県公立学校教員、千葉県公立学校教員、宮城県公立学校教員、沖縄県公立学校教員、(学)塩原学園 本庄第一高等学校、(学)松韻学園福島高等学校、㈱江東微生物研究所、 (一財)茨城県薬剤師会検査センター、㈱アルプス技研、WDBエウレカ㈱、㈱ワールドインテック、WDB工学㈱、新日本警備保障㈱、㈱スタッフサービス・エンジニアリング、㈱タカヤマ、㈱環境保全センター、自衛官
 
(2016年3月卒業生)
三光エンジニアリング(株)、(株)イワイ、豊華食品工業(株)、中本パックス㈱、㈱新和製作所、小島化学薬品㈱、高田製薬㈱、和光純薬工業㈱、コージンバイオ㈱、㈱セイシン企業、㈱木屋製作所、(株)東光高岳、後藤精工㈱、野口精機㈱、トッカコーポレーション㈱、㈱テクノプロ、(株)ヒューマンテクノシステムホールディングス、カストマシステム(株)、鍋林㈱、㈱ボックスグループ、アドバンテック東洋(株)、(株)ドリームコーポレーション、(株)ジール不動産、カッパ・クリエイト(株)、日拓リアルエステート㈱、茨城県公立学校教員、群馬県公立学校教員、埼玉県公立学校教員、静岡県公立学校教員、福島県公立学校教員、東海大学附属浦安高等学校、㈱臨海、CKCネットワーク㈱、日本赤十字社 関東甲信越ブロック血液センター、㈱アルプス技研、㈱ハチオウ、㈱VSN、WDBエウレカ㈱、㈱ワールドインテック、長谷川ホールディングス、WDB工学㈱、SOLIZE Engineering(株)、(株)アウトソーシングテクノロジー、(株)コーシンサービス

次に、これまでの理学部化学科卒業生の就職先から、何社かを紹介します。会社名だけでは分かりにくくても、化学科卒業生が学びを生かした進路へ向かっていることが分かると思います。
株式会社イワキを知っていますか。ポンプを製造している企業です。超大型なポンプから医療用の小さなポンプまで多種多様な製品を製造しています。いろいろな製品を提供している企業なので、技術の強化のために研究開発に力を入れています。在学中に理学部化学科で分析化学を学んだ卒業生もこの企業の技術者の一人として勤務しています。学生時代に学んだ化学の分野を活かし、この機能を改善すればより良い製品として使えるのではという観点で日々研究をしています。
株式会社高純度化学研究所は、埼玉県坂戸市に本社がある企業で理学部化学科の学生には就職先として人気があります。様々な金属、合金、化合物を製造販売する素材メーカーです。普段は目にしない製品ですが、例えば携帯電話や家電製品などの内部にある小さな電子部品用の材料など少量多品種の製品を提供しています。実際に目にする製品ではありませんが、これからの未来を支えるモノづくりの企業に理学部化学科で有機化学を学んだ研究者として活躍しています。
株式会社池田理化は、分析機器、光学機器、研究器具および実験研究用消耗品などを販売している企業です。化学科を卒業した学生だからこそ実験器具などに詳しいのではないでしょうか。化学を学び実験を繰り返してきたからこそ専門知識が身に付き、顧客のニーズにすばやく応えられる信頼できる人として活躍できるのでしょう。
城西大学の在校生、卒業生の紹介は「城西の人」に掲載しています。

理学部化学科の大学院進学

大学院進学状況について説明します。
城西大学理学部化学科を卒業して、大学院へ進学する人の割合は、2016年度卒業生の場合で19%でした。男子12人・女子2人、計14人が大学院進学者数です。
大学院進学実績校(2011~2016年度卒業生実績)は、次のとおりです。

城西大学大学院理学研究科、東京大学大学院理学研究科、東京工業大学大学院総合理工学研究科、東北大学大学院理学研究科、筑波大学大学院数理物質科学研究科、埼玉大学大学院理学研究科、信州大学大学院理工学系研究科、大阪大学大学院理学研究科、早稲田大学大学院教職研究科、北陸先端科学技術大学院大学マテリアルサイエンス研究科 など

 城西大学大学院理学研究科物質科学専攻について簡単に紹介します。理学研究科物質科学専攻は、大学の学部で修得した知識や土台に、さらに専門性を高め研究者・高度技術者を目指します。また、コンピュータ教育にも重点を置いています。
 4部門13研究室の構成です。以下の部門名の後の( )内は研究室名です。
・生体物質科学部門(分子分光学、環境生命科学、生体分子生物学)
・分子設計部門(合成有機化学、天然物有機化学、機能有機化学、情報科学)
・物質構造部門(分子集合体、機能材料分析、構造化学)
・物質機能部門(分子フォトニクス、ナノ計測化学、ナノ機能化学)

城西の人」の卒業生もご覧ください。

理学部化学科の資格取得と教職について

理学部化学科の、資格取得の指導と教職について説明します。
バイオ技術者認定試験は、在学生に大変人気がある資格で、ここ2年間は対象学年の学生数の約半数が中級を取得しています。バイオ産業の拡大とともに必要となる技術者を認定する資格で、NPO法人日本バイオ技術教育学会が実施しています。認定試験の試験科目に対する「生化学」「分子生物学」「バイオ技術」等の講義では資格取得のための具体的な指導を組み入れ、試験問題との関連についても説明するなど工夫をしています。
国家資格危険物取扱者(甲種)は、2016年度に15名(2017年2月時点)が取得しました。「消防法」で定める取扱いに注意を要する危険物(薬品)に関する国家資格です。化学科では在学中の実験実習でこれに触れますし、卒業後もこれらを扱う仕事につく人がたくさんいます。化学系企業で働くときに求められる資格に「危険物取扱者」「毒物劇物取扱責任者」「高圧ガス製造保安責任者」等がありますが、なかでも「危険物取扱者」は需要の高い人気資格です。「危険物取扱者」は化学に関する科目を15単位以上取得することにより受験資格が得られるので、化学科で学ぶ学生は日常の授業だけでこれを充足できます。「物質取扱技術」は、これの受験のための具体的な勉強を指導する講義です。授業の中で受験に必要な1)危険物に関する法令、2)危険物の性質、その火災予防・消化の方法、3)物理学・化学についての勉強方法、並びに模擬試験の解答方法を中心に学びます。
環境問題は、環境と経済を両立させた「持続可能な社会」にとって大切な課題です。そのための「人づくり」のための資格がeco検定です。eco検定は、化学の知識は必要なことは当然ですが、社会科学系の知識が問われる問題も多くて、化学科の学生にはそこが難関です。eco検定は商工会議所が主催している資格なので、就職の際のエントリーシートに取得状況記入欄がある会社も多く、学生にとっては、取得することによって環境保全に取り組んでいる企業への就職活動でアピール材料になります。
中学や高校の先生に就くためには、教育職員免許状が必要です。城西大学理学部化学科では、教育職員免許法に定める授業単位を取得することで、卒業時に中学校教諭一種免許(理科)と高校教諭一種免許(理科)を取得することができます。2014年度には12名が取得しました。2015年度では15名、2016年度では21名です。
2017年度からは城西大学として「教職課程センター」を開設して、教職に就くことを希望する学生を強力に支援する態勢が整いました。
教員体験授業「スチューデント・インターンシップ」も紹介しましょう。城西大学理学部は、坂戸市内の小中学校で「理科」などの授業や課外活動の補助を行うボランティア体験授業「スチューデント・インターンシップ」を行っています。これまでの教育支援ボランティアを発展させ、2007年度から授業の一環として実施している地域連携の一つです。大学で学びながら教育現場を知ることで、教員としての資質を確かめ、広く進路を見つめるチャンスにもなる授業です。さらに、大学院へ進学して上級資格である専修免許状取得に向けても励んでいます。

理学部化学科の入学試験(入試)について

城西大学理学部化学科の入学試験についても、簡単に説明します。
理学部化学科の主な入学試験は、指定校推薦入学試験、AO入学試験、一般入学試験、大学入試センター試験利用入学試験です。他には、編入試験や転部・転科試験も実施しています。試験各年度の理学部化学科の主な入学試験の詳細は、「入試情報」に掲載していますので、ここでは基本方針をお話しします。
理学部化学科は次のように、どのような人に入学してもらいたいか、学んでもらいたいかをアドミッション・ポリシー(入学者受入の方針)、つまり学生募集の考え方として公表しています。
まず、入学試験全体の方針(2016年4月時点)です。
理学部では、理学の本質を論理的、実証的に解析・考察する能力と、複雑な社会情勢に適応できる能力を身につけるための教育を実践するために、自ら学ぶ主体性と意欲をもち、物事の課題や問題点を考え、解決するために意欲的に努力する人を求めます。
理学部化学科は、城西大学の建学の精神と目標を理解するとともに、本学の教育方針に共感する以下のような人の入学を期待します。
●化学に関する教養を広め、専門知識の向上、資格取得のため、自ら積極的に学ぶ主体性と意欲をもつ人
●化学における課題や問題点を考え、解決するために意欲的に努力する人
●化学に関する学業、調査・研究などの分野で優れた活動歴があり、本学でさらにその分野の可能性を伸ばしたい人
 推薦入学では、上記の項目に加え以下の点にも留意して審査・評価します。
化学科のディプロマ・ポリシーに対する適性
●化学の修得に必要な基礎学力と専門教育に関する教科の理解度
●基礎学力として高等学校で英語、国語、数学、理科を履修し、理科では化学の他、生物や物理も履修することが望ましい
●学力だけでは計ることのできない能力や意欲、将来の可能性を高校在学時の活動状況
●教職を含む各種資格取得など、明確な志望動機

理学部化学科の推薦入学試験は、指定校推薦入学試験として実施します。指定校推薦入学試験の推薦基準ならびに日程、選考方法等の実施内容は該当校に通知してお知らせしますので、この入試に関する情報は在学している高等学校の進路指導担当の先生にお尋ねください。
学生募集の窓口は、入試部入試課です。入試関係の情報は、城西大学公式サイトの「受験生サイト」に詳しく掲載されています。オープンキャンパス情報、実施する入試の種別や入試日、合格発表日といった日程、入試科目を主とした選考方法、Web出願、前年度入試結果、一般入試の過去問題、理学部化学科パンフレットなどもここに掲載しています。

理学部化学科を卒業して身につく力

先に出てきた「ディプロマ・ポリシー」とは、学位授与の方針、つまり卒業するときに身についている力のことです。
理学部では、理学の本質を論理的、実証的に解析・考察する能力と、複雑な社会情勢に適応できる能力を身につけ、さらに各学科の所定の要件を満たす人に学士(数学、化学)の学位を授与します。
そのうえで化学科は、社会が持続的に発展するために必要な人材の育成を目標として、以下の能力を修得した人に学士の学位を授与します。
●大学課程の化学に関する専門的な知識や技能を備え、地域社会や国際社会で活躍できる能力
●化学の修得を通じて獲得した、社会人として適切にふるまうことができる思考力、判断力、表現力や道徳的素養
●修得した化学の知識と技能を基礎として、社会の多様性に配慮して主体的かつ協働的に実社会に貢献できる能力
●教職を志望する人には、その職務の遂行に必要な能力

理学部化学科卒業生の声

最後に、城西大学理学部化学科で学んだ、卒業生の声を聞いてみましょう。
お一人目は、日本赤十字社にお勤めの本名さんです。
「献血血液から輸血用血液製剤をつくる仕事をしています。在学中は、研究室で分析化学や生化学を学びました。いまの仕事では、そこで身につけた時間の使い方が役に立っています。培養などの作業は時間がかかるので、効率的な時間の使い方はとても重要でした。仕事でも、製品の品質保持のため作業時間に制限があります。在学中に身につけたスキルで、よりスムーズに作業が進められていると実感しています。理学部化学科では、有機・無機・生化・分析・物理など幅広く学ぶことができます。視野が広がり、就職活動の時にもとても役に立ちました。進路を迷っている皆さんに、理学部化学科を強くおすすめします。」。
お二人目は、東北大学大学院理学研究科に進学した市川さんです。
「まだ誰も手を付けていない研究課題を選び、未知の化合物を調べデータを取り、解析してその正体を探る。私は、理学部化学科の学生としてこうした学びに触れ、その魅力に取りつかれました。研究の結果、その正体があらわになった時の興奮は、何物にも代えがたいです。大学4年次の卒業研究だけでは満足できなかった私は、迷わず大学院進学を選びました。進学後は、より多角的な視点からのアプローチや独創的な研究を行いたいと考えています。誰も成し遂げられなかった研究成果を出すことが目標です。研究者を目指す皆さん、ここには求められた結果を出すだけでなく、自ら学び研究し答えを出す喜びが待っています。」

理学部化学科の公開授業

理学部化学科では、講演方式の授業「生活と化学物質Ⅰ(4月~7月)」と、「生活と化学物質Ⅱ(9月~1月)」を、毎週土曜日3時間目(13時30分~15時00分)に開講します。化学科の先生が、社会にあるいろいろなことを化学の目でみて考え、解説します。授業は各時間独立した内容ですので1回だけでも無理なく受けられます。
化学科では、この授業を高校生への公開授業にしています。大学生と一緒に、大学のホンモノの授業を学んでみませんか?ぜひ参加して、大学の授業を体験してみてください、大いに歓迎します。参加したい方は当日13時までに入試課窓口までお越しください。
2017年度(後期・2017年9月14日時点の予定)
※順番等がで変更になるときがあります。原文を読みやすくしています。

2017年9月16日「身の回りの毒」 講師 高橋 理恵子
身近にはいろいろな種類の毒がある。これらはなぜ毒になるのだろうか。毒というものを自分たちの生活とより密接に結びついたところで、科学の目で振り返ってみましょう。

2017年9月30日「“化学”の黎明」 講師 宇和田 貴之
明治維新に先立ち、日本では急速に化学への理解あるいは需要が高まっていた。それを担っていたのは、それまで舎密学と呼ばれていたChemistryを「化学」と名付けた川本幸民を代表とする蘭学者たちであり、その実施例が幕府あるいは外様雄藩による精錬方の設置である。これらを背景としながら、日本人が化学として化学物質をどのように受容していったかを概観する。

2017年10月  7日「ペロブスカイト太陽電池」  講師 見附 孝一郎
2009年、宮坂らによって、光増感剤としてペロブスカイトが初めて色素増感太陽電池に利用された。まもなく、電解液の代わりに正孔輸送剤を用い 全固体化することで、より高い電力変換効率が得られるようになった。その後、世界各所で急速に開発が進み、2015年には、結晶シリコン太陽電池 に匹敵する18%以上のエネルギー変換効率が報告されている。強誘電体を示すチタン酸カルシウムと太陽電池に使われているヨウ化鉛ヨウ化メチルア ンモニウムを例にとり、なぜペロブスカイト構造に画期的な機能が出現するのかを考えてみよう。

2017年10月14日 「燃料電池の仕組み」 講師 見附 孝一郎
水素などの燃料に酸素を供給し、両者の電気化学反応で電気エネルギーを効率よく取り出す装置が燃料電池である。発電効率が高く環境に優しいクリーンなエネルギー源として、一般家庭、自動車、工場等で急速に普及しつつある。本講では実用化されている低温域燃料電池の仕組みを紹介する。

2017年10月21日「動物の性―性染色体とホルモン―」 講師 石黒 直哉
動物の性の決定様式は様々である。遺伝子型に依存する動物もいれば環境因子に左右される動物もいる。性転換をする動物も存在する。動物の不思議な性の世界を紹介しながら、性の起源、性染色体と性ホルモンの関わりについて学ぶ。

2017年11月  4日 「色の化学」 講師 宇和田 貴之
皆さんが目にしている“色”の起源となるものは、物質の光吸収のみならず、物質の構造に起因するものが多い。ナノサイズの微細構造により発色する構造色やナノサイズとなることでバルクと異なる発色を示すナノ粒子について紹介する。これらの工業的な応用についても述べる。

2017年11月11日 「ディスプレイ材料」 講師 橋本 雅司
テレビ、電光掲示板、携帯電話・・身の回りにあふれているディスプレイですが、その中身はどうなっているの でしょうか?液晶、有機ELなどの様々なディスプレイの仕組みと、その中の材料について解説します。

2017年11月 18日「身近な名前を持つ化学物質たち」 講師 橋本 雅司
チョウチン、さかずき、王冠など・・・身近な名前の付いた化合物たちのお話 です。その名前の由来や機能などについて解説します。


2017年11月25日「化学物質と環境科学」講師 紺野東一
地球温暖化の原因となっている二酸化炭素に代表される温室効果ガス(温室効果を示す大気成分)や、オゾン層を破壊する原因物質となっているハロカーボン(フロンガス)は言うまでもなく、化学物質のひとつである。我々は通常の日常生活においてそれらの物質の存在を意識せずとも、我々の生活環境の中に、広義には地球環境の中に厳然と存在している。これらの化学物質が地球環境におよぼす影響について、環境科学の観点から解説する。

2017年12月  2日「都市鉱山」講師 紺野 東一 
最近、「都市鉱山」あるいは[都市鉱石]などの言葉をよく耳にする。街に鉱床でもあるのだろうか?実は大変な鉱脈として眠っているのである。

2017年12月 9日「放射線の生体への影響」講師 森田 勇人
福島の原発事故以来、放射線は体に良くないということが近年強調されています。その一方で同じく放射線が出ているにもかかわらず、ラドン温泉は健康に良いともいわれています、どちらが本当でしょうか?本講義では、日々の生活の中での放射線の人体への影響を、放射線の種類と線量の観点から定量的にとらえ、放射線に対する正しい知識と理解を身に着けることを目指します。

2017年12月16日「『あま~い』化学漫談Ⅰ」 講師 阪田 知巳
私達人間が生活をしていく上で、衣食住は不可欠な基盤的要素であります。この衣食住を化学的視点でみると、「糖」という共通キーワードが浮かび上がってきます。本講では、「糖」の性質について解説し、人はなぜ「糖」を追い求めるのかについて考えます。

2017年12月23日 「『あま~い』化学漫談Ⅱ」 講師 阪田 知巳
「甘さ」を化学的視点でみると、ヒドロキシ基をたくさんもっていることと関係があることが分かります。ところが、人工甘味料にはヒドロキシ基がなくても砂糖より甘い物質が多々あります。本講では、「甘味」とは何かについて考えます。

2018年1月20日 「炭素材料」 講師 鈴木 光明
炭素原子からなる材料について解説し、それらの歴史と最先端の研究を知ろう。

2018年1月27日 「オータコイドって知っていますか」  講師 山本 達夫
「病は気から」とか「心頭滅却すれば火もまた涼し」というのは非科学的ですか。

オープンキャンパス

最後に

城西大学は、建学の精神「学問による人間形成」に基づき、社会に有為な人材を育成するとともに、人類文化の発展に寄与することを理念としています。この「受験生のための 詳しすぎる 城西大学理学部化学科」を読まれた方が、建学の精神に賛同され、化学の世界に興味や関心を持っていただければ光栄です。

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