受験生のための 詳しすぎる 城西大学教職課程

中学・高校教員を目指す人のための 城西大学の教職課程と教職課程センター、スチューデント・インターンシップ の詳しすぎるお話

目次

城西大学の教職課程

城西大学は、経済学部現代政策学部経営学部理学部数学科化学科)、薬学部薬学科薬科学科医療栄養学科)で、中学校や高等学校の先生になるために必要な「教育職員免許状」を取得するための課程(教職課程)を開設しています。簡単に言えば、「中学や高校の先生ができる資格」です。取得できる免許状の種類は、学部や学科によって決まっています。「教育職員免許状」を取得するために必要な授業科目の多くは卒業のために必要な学部学科ごとの科目と重なっていますが、それに加えて専門的な「教職に関する科目」を学ぶ必要があります。
教職課程の授業単位を取得することで、卒業時に教育職員免許状を取得できます。

城西大学は教職を目指す人たちを教職課程センターが支援

2017年4月には城西大学の組織として「教職課程センター」を開設しました。城西大学としての教職支援を行いますので、各学部(経済学部現代政策学部経営学部理学部数学科理学部化学科薬学部)に所属の専任教員で構成する所員の先生と、学校現場での経験を豊富に持つ指導員の先生(2017年9月現在4名)が教職の学修や教員採用選考試験に向けての対策を、熱意をもってサポートしています。
「教職課程センター」では、模擬授業室で指導力を磨き、必要に応じて個別面談を行っています。自習室は、採用試験にむけた学生たちの熱気にあふれています。指導員が控える部屋の隣りにあるので、種々の相談に即座に対応できます。
「教職課程センター」は採用選考試験の筆記対策も実施します。内容は「一般教養」のための講座と、「教職教養」および教員としての心構えを学ぶ教員養成塾(サークル)です。

城西大学で取得できる「教育職員免許状」の種類と教科

学部学科中学校教諭一種免許状高等学校教諭一種免許状栄養教諭一種免許状
経済学部経済学科社会公民・商業
現代政策学部社会経済システム学科社会公民
経営学部マネジメント総合学科社会・(注)公民・商業・情報 ・(注)
理学部数学科数学数学・情報
理学部化学科理科理科
薬学部薬学科理科理科
薬学部薬科学科理科理科
薬学部医療栄養学科栄養
(注)経営学部マネジメント総合学科は、通信制の大学(星槎大学)との連携により、中学校教諭1種免許状・保健体育、高等学校教諭1種免許状・保健体育を追加取得できます。これについては、次の項目であらためて説明します。

城西大学経営学部マネジメント総合学科で保健体育の教員免許状

2015年度より、城西大学経営学部では通信制の大学である星槎(せいさ)大学との連携により、新たに中学・高校「保健体育」の教員免許を追加取得することが可能となりました。通信制大学では、テキストの学修とスクーリングの受講後、レポート試験を受けて単位を取得しますが、教員陣たちが責任を持ってサポートする体制が整っています。
このことで城西大学経営学部では、中学校教諭一種免許状「社会」、高等学校教諭一種免許状「公民」「商業」「情報」に加えて、星槎大学との連携によって中学校教諭一種免許状「保健体育」・高等学校教諭一種「保健体育」を併せて取得して卒業をすることができます。

◆時間の有効活用(通信+スクーリング)
保健体育の教員免許については、星槎大学との連携協定に基づいて行われます。講義科目については通信による自宅学習+スクーリング、実技についてはスクーリングで集中的に学びます。城西大学の講義、部活動及びサークル等の課外活動以外の時間の有効活用に適しています。
※保健体育以外の教員免許取得については、城西大学経営学部の他の科目と同様、対面式授業となります。

◆きめ細かいサポート
保健体育教員免許取得のためには、城西大学経営学部のカリキュラムを考慮し、履修計画を立てる必要があります。経営学部では学生一人一人の状況に対応するため、主に健康スポーツマネジメントコース担当教員がいつでも相談を受ける体制を整えています。

◆協定による学費負担の軽減
連携協定により、星槎大学の科目を正規授業科目より安く受講ができます。協定校の大きな利点です。

城西大学経営学部から教員採用試験に合格者多数

城西大学経営学部からは、「商業」で多数の高校教諭が誕生しています。下表は、城西大学経営学部マネジメント総合学科パンフレット2018年度版から引用したもので、「蛭川ゼミ」及び教員養成サークル所属学生の「商業」教員合格数の実績です。この表以外にも、私立高校、特別支援学校などの採用実績があります。
年 度高校 「商業」
2001年度 埼玉2名
2002年度 
2003年度 埼玉3名(埼玉県独占) 長野1名
2004年度 埼玉2名 静岡1名
2005年度 埼玉2名 愛知1名
2006年度 埼玉2名
2007年度 埼玉1名
2008年度 北海道1名
2009年度 埼玉1名 福島1名 群馬1名
2010年度 埼玉1名 宮崎1名
2011年度 埼玉1名
2012年度 埼玉2名(埼玉県独占) 長野1名
2013年度 新潟1名
2014年度 埼玉1名
2015年度 埼玉3名
2016年度 埼玉3名

スチューデント・インターンシップ

「スチューデント・インターンシップ」は、坂戸市との提携により実現した学校体験授業です。小・中学校で「理科」などの授業や放課後指導の補助を行うボランティア体験授業です。経営学部マネジメント総合学科、理学部数学科、理学部化学科の授業科目になっています。学部学科は違っていても、同じ趣旨の授業ですから説明も似ています。読みやすくして紹介します。

経営学部マネジメント総合学科
スチューデント・インターンシップは、坂戸市内の小中学校に毎週1回(半日または一日)出向き学校実習を行います。実習の内容は、(1)授業の補助、放課後指導の補助や先生のその他の業務の補助を行うことで教師の仕事や学校についての理解を深め、自らの教師の資質について省みます。(2)子供と接することでコミュニケーション・スキルを養います。(3)「教師」として自らを律して行動し、「教師」としてのふるまいや倫理観や社会的責任性を体験します。

理学部数学科
教員を志す、また教育に関心のある学生を社会貢献の一環として、市内の小、中学校に派遣し、「算数、数学」の授業の補助、放課後指導の補助等に当たります。学生が早い段階から学校現場で実体験を積むことにより、進路に対する明確な意識を持ってもらいます。有能な教師の育成を図るとともに教員としての資質の有無を見極め、教職から志望変更を促すことで確実な進路を見定める効果を持っています。また地域の児童、生徒との交流を図り、地域教育界の要望に定常的にこたえます。

理学部化学科
教員を志す、また教育に関心のある学生を社会貢献の一環として、市内の小、中学校に派遣します。「理科」などの授業の補助、放課後指導の補助、生徒たちとの交流、先生方のサポートなど学校現場での実体験を積むことで、教員としての資質の有無を見極めることができます。また地域の児童、生徒との交流を図り、地域教育界の要望に定常的に応えられる資質を習得することを目的とします。

本気で教職を目指すということを「教育実習」で考える

教員を目指す大学生といえば、皆さんの学校でも「教育実習生」を迎えた経験があるでしょう。「教育実習生」の授業を受けたことがある人も多いのではないでしょうか。教員免許を取得するにあたっては、必ず「教育実習生」としての経験を積むことになります。
それでは、城西大学では、これから教育実習に参加する学生へ、事前にどんなことを伝えているのかを紹介しましょう。「である」調の文章ですが、心構えをしっかり伝えるための文章ですのでご了承ください。
城西大学から皆さんの学校へ行く「教育実習生」は、こうした指導を受けた人たちです。決して特別な人たちなのではありません。城西大学に普通の学生として入学して教職を目指していった人たちなのです。あなたも、ここに加わることができるのです。
Ⅰ 教育実習の意義
 「教育は人なり」と言われるように、教育を行う上での諸条件のなかで、人的条件である教員の在り方は特に重要である。教育は良き教師を得るか否かによって大きく左右されるため、教育の担い手である良き教師の確保を期して、教員志望者に教育実習が課せられている。
 教育実習は、教師をめざす者が、教職に就く以前に、教員として教育に関する基礎的な体験を行う機会である。それは教育現場である学校において、実践的な教育経験を得るためのものでもある。すでに修得した知識・技能を土台にして、直接に生徒を指導し、理論と実際の関係を体験することである。その体験によって、①教員として資質・能力の深化をめざすものである。と同時に、短期間ではあるが授業実習や先生、生徒との交流をとおして、②学校における教育活動全般を知る。また体験を通して、③自分の教員としての適性や教育への熱意等について確かめる機会でもある。
 しかし、教育実習は単に自分の教員としての資質・能力の向上、適性の確認や教育実習の単位取得という個人的なものではない。実習校で直接に生徒を指導することは、日々心身ともに発達成長しつつある生徒の人間形成に影響を及ぼす重大な責任を伴ったものである。かりそめにも、教員免許状取得のために実習を行うなどという、安易な気持ちで臨むことは許されない。
 教育実習は、教育への強い熱意と関心のもと、諸君の全人格・人間性をもって誠心誠意全力で取り組まなければならない。
 教育実習は、実習校の指導教諭の指導のもと、教員として生徒に直接教育指導を行う。その場合、教える立場がいかに大きな影響を与えるかを銘記しておかなければならない。
「教育の目的は機械を作るにあらずして人間を造るにあり」(ルソー)と言われるように、医療活動は人間の生命にかかわるものの如く、教育活動は人間の精神的生命にかかわってくるものである。生徒は成長してやまない。しかし傷つきもするし、病みもする。特に、精神的不安定期にある中・高校生の成長過程での教育活動のおよぼす影響は大きい。はじめて教える立場に立つ実習生の指導力は未熟であり、拙劣であるかもしれない。それはやむを得ないことである。しかし、未熟さを補うためにも、人一倍の周到な準備、教材研究や工夫への努力を惜しんではならない。指導技術いかんにかかわらず、誠意のない指導では生徒は離反してしまうからである。十分な努力に裏打ちされた指導は、指導技術がたとえ未熟であっても敏感な生徒の心をとらえるのである。
 若くして、新鮮な感覚を持っている実習生に対して、生徒は興味・関心を示し、親近感さえ持つ。真摯な誠意に満ちた指導には、人間としての感応があり心の交流が生まれる。それは教育の場における人間同士の触れ合いとして、教育実習の貴重な経験となり、教員としての妙味に通じるものである。実習によって教員の影響力、責任の大きさと教員の生き甲斐を知って欲しい。  
 すでに修得している一般教養・専門教養・教職教養を、生徒との交流のなかで総合的に生かし、再構築し、教員になるために必要な資質・能力の基盤を培うことが教育実習の意義である。
Ⅱ  教育実習の心構え
 教育実習は、教員免許状を取得するための必須の専門科目として位置付けられている。しかし、実習校は、実習生受け入れを義務付けられているわけではない。教師の育成という教育的見地から、さまざまな迷惑もかえりみず、好意で受け入れてくれているのである。このことをしっかりと念頭におき、安易な気持ちではなく、教育に対する積極的な意欲と真摯な態度で実習しなければならない。実習期間を通しての主な心構えは、次のとおりである。
1.十分な教材研究で授業にのぞむ
 「教師は授業で勝負する」と言われているように、教育実習においても充実した授業を行う心構えが何よりも大切である。実習期間中の生活は、通常とは異なった多忙さに追われるが、教えることは教えられる立場とは比較にならないほどの研究を要求される。多忙さのなかにあっても、「一を教えるのに十をもってする」意欲で、十分すぎるほどの教材研究に努力の大半を傾けなければならない。教材研究を十分に行った努力の裏付けがあってこそ、「授業で勝負する」ことができるのである。
2.指導教諭との連絡を密にし、進んで指導・指示を受ける
 はじめて教壇に立ったとき、あがってしまって何を言ったのか、なぜあんなことを言ってしまったのかと悔やまれることもあろう。指導案がうまく書けず困ってしまうことがあるかもしれない。力一杯努力してわからなければ、指導教諭に指導や助言をお願いし、間違いは厳しく指摘していただくことが必要である。そして、その指導を謙虚に受け入れる心構えが大切である。
 また、指導教諭からの指導の他に、多くの先生方からさまざまな教育活動について、直接、間接的に教えられることも多い。それらを一つ一つ謙虚に受け止めて、教育活動全般の奥深さを学ばなければならない。
3.教育活動全般に積極的に参加するよう心がける
 教育活動は教科指導だけではなく、学級指導・生徒会指導・部活動指導・学校行事・生徒指導・進路指導等広きにわたっている。教育実習も単に授業実習のみではなく教育活動全般について実習し、実習内容を深めなければならない。授業参観、授業実習のほか、できるだけ多くの教育活動に積極的に参加するよう心がけるべきである。部活動で生徒と一緒になって汗を流したり、生徒とともに清掃作業したり、遅くまで先生方の手伝いをすることもある。教室の外、始業前、放課後にこそ真の教育があると言われているが、そのことを心に留めておくことが大切である。
4.実習生としての自覚をもって行動する
 教育実習は単なる練習の場ではない。実践の場であり、真剣勝負の場である。生徒は実習生を「先生」と呼び、先生の一挙手一投足を注目する。実習生は学生でありながら、その期間は特別の立場にある。したがって、自宅を出てから帰るまで言葉づかい、身だしなみ、服装等は教師として恥ずかしくないようにしなければならない。特に、生徒指導と称して体罰を行うこと、生徒との個人的な接触、個人情報を漏らすこと、セクハラ行為等決してあってはならない。なお、実習期間中は環境の変化によるストレスや、教材研究による睡眠不足等から体調を崩しやすいので、健康管理には普段以上の注意が必要である。
5.その他
 学校の指導方針や先生方の指導に対して、諸君は諸君なりの考え方や見解を持つこともあろうが、短期間の教育実習で学校のすべてが分かるわけではない。学校の指導方針や先生方の指導は、生徒の実態をふまえた長い間の経験の積み重ねによるものである。決して軽々しく批判できるようなものではないことを銘記しておくことが大切である。
Ⅲ 一般的注意事項
 実習に当たっては、大学生としての自覚および社会人としてのマナーを守ることが大切である。
 特に、実習校が母校である場合、かつて生徒であったときのように振る舞うことは決してあってはならない。したがって、学校訪問するときに事務室を通さず直接職員室に出入りしたり、担当教諭の都合を聞くことなく訪問するようなことは厳に慎まなければならない。一般的な注意事項の主なものは次のとおりである。
1.実習校への事前訪問
 教育実習に入る前に、挨拶と打ち合わせをかねて実習校を訪問する。訪問の日時はあらかじめ電話等で相手の都合を確かめておく。訪問したときは、お世話になる旨の挨拶と、実習にあたってのオリエンテーション(事前指導)の有無ならびに、その日時等を確認しておく。
2.時間厳守
 実習校から指示されたすべての会合や手続きについては、時間を厳守し欠席や遅れることのないように注意する。欠席や遅刻は認められないが、どうしても欠席等しなけばならない事情が生じたときは、指導教官または教頭先生に、前もって必ず連絡し指示を仰ぐ。緊急の場合は電話連絡をすること。
3.身だしなみ
 頭髪・服装・化粧等の身だしなみに注意し、清潔、清楚にして相手に不快感を与えないようにすること。なお、生徒の頭髪・服装等についてはその指導に苦慮している実習校も多くあることから、頭髪・服装・化粧等については格段の配慮が必要である。
4.明るい態度
 謙虚にして明るく、積極的な態度で振る舞い、挨拶を励行する。廊下でお会いする先生には挨拶または会釈をするように心がける。「お世話になります」「ありがとうございました」「失礼します」等の感謝のことばも忘れないようにする。
5.連絡・提出物等
 実習校から指示された提出物の提出期限は必ず守ること。
6.整理整頓
 実習生控室や職員室で使用することを許された机は、常に整理整頓しておくこと。
 Ⅳ 実習校の事前指導(オリエンテーション)
 実習校は教育実習開始の1・2日前に、他大学の実習生を含めて、全実習生を集め、事前指導を行うのが普通である。事前指導の方法は、実習校によってそれぞれ異なるが、一般的には次のような形で行われる。
 ①  教頭または教務主任の先生から、実習校の沿革・教育目標・指導の重点目標・生徒指導・組織・生徒の状況(進路状況を含む)等、実習校についての概略説明がある。
 ② 教育実習担当教諭から、教育実習期間中の勤務に関しての出退や守るべきこと、および実習生が用意したり持参すべきもの(上履など)についての全般的注意・指示がある。
 ③ 指導教諭から、使用する教科書や指導書、現在学習している単元、教材研究、担当する学級、生徒の状況等について指示・連絡等がある。
   ①、②、③いずれの場合も、その指示・連絡事項等は的確にメモし、不明の点は素直に質問して指示にそった実習をすることが大切である。また、学校概況(実習校によって学校要覧を配付する場合もある)や配付された実習生心得等の資料は、一つ一つ丁寧に読み、実習に入る前の準備として十分に理解し、把握しておかなければならない。
Ⅴ 教育実習項目
 教育実習において実習すべき内容は多岐であるが、その区分や名称は一様ではない。一般的に考えられる項目は次のとおりである。 ①指導打ち合わせ
 ②講話
 ③教材研究
 ④指導案作成
 ⑤授業参観
 ⑥授業実習
 ⑦研究授業
 ⑧反省会
 ⑨学級指導
 ⑩部活動
 ⑪生徒指導
 ⑫学校行事
 これらの項目についてのポイントを十分に理解して、総合的に教育活動全般を体験することが肝要である。
1.指導打ち合わせ
 指導打ち合わせは、指導教諭からその日の実習日程、授業実習についての指示・注意や学級への連絡事項等の打ち合わせと、授業実習終了後に受ける指導・批評が主である。しかし、その他にも実習生全員を対象に、教頭又は教務主任による指導や打ち合わせが行われる場合もあり、他の先生からの必要に応じての指導打ち合わせもある。
 多くの学校では、毎朝、始業前の短時間に教職員全員で、その日の生徒指導事項や事務連絡事項等の打ち合わせ会を持ち、実習生を参加させることもある。いずれの場合も、必ず指導・指示・連絡事項の要点を的確にメモし、その指導打ち合わせ事項をふまえての実習が必要である。なお、不明の点や疑問の点がある場合は、よく聞きただして、指示・打ち合わせられたことを誤って解釈しないようにする。
2.講話
 教育実習開始にあたってのオリエンテーションとは別に、実習期間中の適宜な時間を選んで、校長、教頭または他の先生から、実習生全員あるいは個別に、広く教育についての話しをされる場合がある。
 その講話内容は学校・生徒の状況をふまえた教育現場の実践的立場から、教育信念や専門職としての教師像、生徒指導上の諸問題をはじめ、これから教員になろうとする者のために、学校教育に関するさまざまな事柄から選んで話されると思う。
 講話を受ける機会が設けられた場合は、いかなる内容であっても、長い間の実戦経験を踏まえた示唆に富んだものであり、漠然と聞き流さず、その要旨を記録して、今後の教職教養の深化に役立てる心がけが大切である。
なお、日頃自分が考えている教育問題などについて伺う良い機会なので、素直にお聞きすると良い。
3.教材研究
 教育実習は、教育活動全般についての実習であることは前述のとおりであるが、その中心的なものは「授業実習」である。授業の第一要件は「わかる授業」をすることである。わかりやすい授業を行うためには、なによりも、教える者が教材内容を十分すぎるほど消化していることが必要であり、授業実習を行うにあたって、深く教材研究をすることが強く要請される。
不十分な教材研究で、教科書の内容を表面的に理解しいている程度では、生徒を引きつける分かる授業はできない。担当する授業についての日時やその時限の単元を、できるだけ早く指導教諭から教えていただき、それに対する研究・準備を十分することが必要である。教材研究は学習指導要領・教科書・指導書のほか、参考文献・関係資料を調べるとともに、担当する単元の前後についても目を通し、その流れを把握して、十分に教材内容を自分のものとしておくことが大切である。また教材研究・準備の過程では、指導教諭の指導助言を積極的に受け、的確な授業を行うために万全を期さなければならない。
教材内容を十分に消化したならば、その内容をどのように教えるか、指導の仕方についても検討する。生徒の興味と関心を喚起する手だて、説明をわかりやすくする具体例、発問や板書の仕方についての工夫等をあらかじめ考えておくことも教材研究である。
4.指導案作成
 指導案の作成については、手引書の各教科のところで詳しく延べられているので、ここでは要点 のみを記しておく。
 指導案は、授業実習を行うにあたり、その時限の授業内容をどのような目的と観点から、どのような順序と方法で進めていくかを示すものである。
 その形式は学校によって多少異なるが、一般的には、
 ①単元・本時の学習・本時の目標
 ②指導内容(導入・展開・まとめ)
 ③指導上の留意点
 ④時間配分
で構成される。
 「指導内容」の導入は、生徒の興味と関心を喚起して、本時の授業に結びつけるいわばウォーミング・アップに相当する部分である。教科・科目の性質にもよるが、できるだけ生徒の身近な関心のあることがらに関連づけ、説明や発問によって授業に入るようにすると良い。
 展開は、授業内容の進行順序とその方法、すなわち説明・発問・板書・教科書の利用・討議・練習問題等を、どのような手順で行うかを予定して示したものである。展開については、一方的平板的なものではなく、出来るだけ生徒を活動させることを念頭において作成することが大切である。
 まとめは、本時の授業を整理し、その要点を強調し、本時に学んだことを意識させて授業を終了するためのものである。
「指導上の留意点」は、授業を進めるうえで、教える者が配慮しておかなければならないことである。例えば、使用する教具、指導内容と関連する事項、発問等によって予想される生徒の状況や対応方法等がある。
「時間配分」は、導入5分、展開40分、まとめ5分というのが一般的である。しかし、はじめての授業実習では時間が不足したり余ったりして、指導案どおりの授業ができないことも多いので、指導案作成にあたってはその内容・方法を十分に検討することが必要である。
 指導案作成に関しては、指導教諭から十分な指導を受けるとともに、自分の担当する教科だけでなく、他教科の指導案も参考にして、良い指導案を作成するよう心がけることが大切である。
 なお、昨今の情報化社会の進展や、中学校や高等学校における各種研究会の資料は、そのほとんどがパソコン等で作成されていることを考えれば、指導案はパソコン等で作成しなければならない。
5.授業参観
 指導教諭の授業を参観して、どのように授業をすればよいかを観察し、授業実習に役立てるのが授業参観である。しかし、授業参観は指導教諭の授業や自分の担当教科の授業のみに限定されない。指導教諭以外の先生方および他の実習生の授業を参観して参考にするのも授業参観である。実習日程との関係もあるが、都合のつく限りできるだけ多くの授業を参観して、授業実習の参考にすることが大切である。「授業は盗んで覚える」ということを覚えておこう。
授業参観をする場合には、ただ漠然と参観するのではなく、授業内容の進め方、発問や板書の仕方、話し方、視点の置き方、生徒の反応・態度などの観察点を意識して参観することが大切である。参観の過程で気のついた点、参考にすべき点などはその場で簡潔にメモしておき、あとで実習日誌に記録すれば、深い観察記録として大いに参考になり役立てることができる。また、他の実習生の授業を参観したときにも同様に気のついた点をメモして、後でその実習生に渡すと、自分も観察力が付きお互いの助け合いにもなる。
 なお、授業そのものの他、教室の状況(採光・通風・展示物・備品など)や生徒の状況(出欠・態度・教師と生徒の関係など)を観察することも大切である。
6.授業実習
 授業実習は、担当する科目の授業を実際に一人で行うことである。すなわち、自分で作成した指導案にそくして、生徒の活動に働きかけながら、教科書等の教材にもられている知識や技能をいかにわかりやすく教えるかを、直接体験することである。
 授業実習は、言うまでもなく十分な教材研究と準備のもとに、よく検討された指導案にそくしての授業でなければならない。事前に指導教諭から指導・指示されたことをふまえて、使用する教材・教具を用意し、板書する事項や図示の方法などを想定して授業に臨むように心がける。
 授業に臨むにあたっては、次に記す基本的注意事項を念頭に置くことが大切である。
 ①授業をする態度
 ア 適切な声の大きさで、明瞭に発音し、早口にならないようにする。
 イ 顔、視線を生徒の方に向け、その反応を確かめながら話す。
 ウ 適切な身ぶりやユーモアをまじえることは効果的であるが、故意のふざけや特殊な学生用語、下品な流行語は慎むこと。
 エ 発問や練習問題などで、できるだけ生徒を活動させるように心がけること。また、必要に応じて机間巡視をして、個々の生徒の状況も確かめるようにすること。
 ②板書について
 ア 板書する内容や字句の配置など前もって十分検討しておき、思いつきで書いたりしない。
 イ 誤字、筆順の誤りをしないよう特に注意し、略字はさけ、大きく、丁寧に早く書く。
 ウ すべての生徒によく見えるよう配慮し、強調するところは色チョークなどで工夫する。
 授業実習は、実習生にとっては体験のための実習であっても、生徒にとってはあくまでも正規の授業である。したがって、正規の教員と同様に自覚と責任を持って、誠心誠意全力投入で授業に臨まなければならない。
 授業実習を終了したときは、そのつど指導教諭の講評、指摘を仰ぎ、その要点を実習日誌に記録する。
 なお、研究授業にかぎらず普通の授業実習の場合にも、できるだけ多くの他の実習生に参観してもらい、気付いた点について指摘を受けることは、以後の授業実習の参考にすることができ有益である。
7.研究授業
 教育実習期間の最終日かそれに近い日に、校長・教頭(校務に支障のない場合)、諸先生そして他の実習生の参観をえて行う授業実習が研究授業であり、授業後に行われる反省会において講評や指摘をしていただける授業である。いわば授業実習の総仕上げというべきものである。
 研究授業実施の場合は、通常の授業実習のときよりさらに細かい点まで、よく指導教諭と相談し、指導案の作成、授業内容とその進め方等についての指導を受けて授業に臨むことが大切である。
 また、参観していただく先生方等には、指導案や使用する教材プリントなどの資料をあらかじめ配付しておくことを忘れてはならない。配付の仕方については、実習校により異なるので指導教諭の指導を仰ぐ。研究授業は、沢山の参観者のもとでの授業なので一段と緊張するが、それまでに行ってきた授業実習や参観の経験を生かして、落ち着いて授業するように心がけたい。
 なお、研究授業を参観していただいた先生方には、多忙な中、時間を割いて参観していただいたことに感謝するため、授業後にお礼の挨拶をするように心がける。
8.反省会(研究会)
 反省会は実習校によって、その実施方法に多少の相違がある。研究授業について指導教諭のほか同じ教科の先生方によって、個別的に実習生に対して行われる場合や、同じ教科を担当した実習生ごとに行われる場合がある。一般的には、教育実習を終えるに際して教科をこえて諸先生方と全実習生が一室に会して反省会が持たれる。
 反省会は、諸先生方や他の実習生からさまざまな講評、感想、意見を伺うことのできる貴重な機会である。その機会に先生方や他の実習生の話しをよく聞くとともに、積極的に講評が得られるように、自分の方からも進んで受け答えすることである。そこで話し合われたことを真摯に受け止め指摘されたことの要点をメモしておき、あとで実習日誌に記録しておくようにする。そのことは体験を反芻(はんすう)し、以後の教員としての資質・能力を錬磨するうえからも大切なことである。
 なお、前述したことではあるが、発言する際はその内容が学校や教員の批判にわたらないよう十分に配慮することを忘れてはならない。
9.学級指導
 学級は学習集団編成上の単位で、生徒にとって学校生活の基盤であり、望ましい人間関係を醸成して、自主的・実践的活動をするとともに、個人的、社会的資質を伸ばす場である。
 教育実習においては、授業実習とともに、指導教諭の担任学級またはそれ以外の学級についての指導を指示される場合が多い。
 教育実習としての学級指導は、始業前および下校のさいの学級の時間(S.H.R(ショートホームルーム) 10分程度)と、授業時間割の中に組み込まれている学級活動の時間(ロングホームルームL.H.R  50分)の指導が主である。
 学校によっては、S.H.Rを設けない場合もあるし、始業前および下校時のどちらか一方だけ実施する場合もある。S.H.Rの内容は、毎朝始業前に教職員全員で行う打ち合わせ会で、打ち合わされた、その日の指導事項、事務連絡事項、担任からの指示連絡事項を伝達したり、学級委員からの連絡や生徒が交代で話しをすることなどである。
 実習生としてS.H.Rに臨む場合は、生徒の出欠をとりながら、一人一人の顔色や態度を見て、様子によっては個別的に言葉をかけるとよい。そして、生徒がその日の学校生活を気持ちよく過ごせるよう、また明日への期待が持てるよう明るい態度で接することが大切である。
 L.H.R は、学校、学級生活に対する適応の仕方や進路、人間としての在り方生き方、あるいは生徒間に派生するさまざまな問題対応、学校行事などを生徒達自身で自主的に協議、実践する時間である。L.H.R を指導する場合は、生徒を主体的に活動させることを念頭におき、たとえ生徒の協議や実践が非能率的であっても、可能な限りその主体性を尊重し、援助する程度の心構えが大切である。もちろん、状況に応じては適切な助言や指導が必要であることはいうまでもない。
 生徒相互間の相互作用によって、個々の生徒がそれぞれに持ち味を発揮できるように、実習生としても配慮して指導することがのぞましい。ときとして、生徒の方から実習生に対して、実習生の中・高時代の経験談や、受験、大学生活、人生観などの話しを求められることもある。そのような場合には指導教諭の許可を得たうえで、人間としての考え方や経験を話してやるとよい。学級指導で大切なことは、どの生徒に対しても公平に、温かく人間として誠意をもって接することである。
10.部活動の指導
 部活動は学年や学級の所属を離れて、共通の興味や関心を持つ生徒が、自分たちの発意や発想により自分たちで活動する組織体である。部活動には文化的なもの、体育的なもの等あるがいずれであっても、興味・関心や技能の拡大・深化をはかる過程を通して、上・下級生の相互作用による協力・信頼の人間的触れ合いを目指すものである。
 実習生のなかには、部活動の顧問から部活動の指導を要請されることもある。
 課外の部活動に参加することは、授業実習だけでは得られない生徒の側面に接することができ、教育実習の内容を一層濃密にする。実習校の先生から要請されなくとも、できるだけ時間を作り参加するように心掛けたい。部活動で生徒とともに行動し、ともに学び、汗を流して活動するなかで、生徒理解が促進され、さまざまな点での指導効果が期待できる。
 部活動の指導は、参加する部の決まりや特質、活動の状況などを理解するように努め、生徒と一緒になって行動することが大切である。部活動は一定の指導の枠のなかで生徒の自発的、自治的活動であるが、上級生と下級生との間や、同学年間での人間関係のトラブル、技能・体力の差による疎外感、顧問の指導方針に対する反発、過激な練習等による様々な問題が発生することも多い。短期間の教育実習では部活動に内在する問題をつかみきれないが、部活動は個人的活動ではなく、組織としての活動であることを常に念頭において、生徒からの相談や苦情に対応し指導することが大切である。したがって、部活動を離れての個人的な交際などは厳に慎むべきである。
11.生徒指導
 生徒指導はすべての領域における教育活動の統合的指導である。その理念は人間の尊厳という考え方のもとに、一人一人の生徒の自己実現を助け 、その人間性の最上の発達をめざす活動である。この理念のもとに、各学校においてはすべての生徒を対象にした指導を目指していることはもちろんであるが、学校をとりまく現在の状況や生徒の実態から、指導の力点が非行防止や規則の遵守等におかれがちである。即ち、喫煙・万引き・暴力行為・いじめ・不登校・無気力などの反社会的、非社会的な行動に対する指導や校則を守らせ、挨拶などの基本的行動様式を身に付けさせる指導が主流になっている。また、そのような生徒指導に多くのエネルギーをとられている学校が多いのも現実である。
 教育実習生が行う生徒指導は、すべて先生方の指示にもとづいて行われるが、誰がみても注意や指示することが当然と思われることに対しては、見逃さず積極的に指導することである。
 校門指導(遅刻・制服・髪型等のチエック)、朝礼などの全校集会における集合促進、教室内外における態度・休憩時間の過ごし方、清掃指導等々、実習生が先生方の生徒指導を手伝う場合が多々ある。そのような場合、実習生としては指示に従って指導するが、あくまで監視的あるいは説教的な高圧的態度ではなく、温かい理解ある態度で接することが大切である。生徒が反抗的で、指示に従わない場合でも、決して体罰的ないしは威嚇的行動をしてはならない。そのような場合または指導の判断に迷うようなときは、指導教諭に速やかに連絡して、その対応の指示を仰ぐのがよい。
生徒指導はその理念を念頭におき、まず自分自身を正して、生徒一人一人に親身の関心と配慮をもって、相談的態度で接することが大切である。
12.学校行事
 学校行事は、全校または学年を単位として、学校側が計画し実施する行事である。
 その行事は、①儀式的行事、②学芸的行事、③健康安全・体育的行事、④旅行・集団宿泊的行事、⑤勤労生産・奉仕的行事の多岐にわたり、学校生活に秩序と変化を与え、充実した体験的な活動をさせるためのものである。
 学校行事については、年度初めに、実施される各行事の日程が決められているのが普通である。
 教育実習期間中に体育祭や文化祭あるいは合唱コンクール、遠足などが計画されていて、実習の一環として参加できる場合もある。そのような場合には、ただ傍観者的に参加するのではなく、教員(実習生)としての自覚のもとに、積極的な参加態度を示すことが望ましい。即ち、先生方の指示のもと、できる範囲で積極的に役割を引き受け、その行事における資料の作成、会場の設営や片付け、会の進行などに進んで協力し、その行事が有意義に盛り上げるようにすることが大切である。
 学校行事の運営方針に協力することも教育実習の重要な一面である。
Ⅵ まとめ
 学校における教育活動は、教科指導を中心としながら、生徒の人間形成にかかわるすべてのことが対象である。したがって、教育実習も単に授業実習をすることではなく、道徳(中学)、特別活動、生徒指導等を含めた教育活動全般についての実習である。実習期間中は、登校してから下校するまでのすべての事象が実習対象であり、それらの一つ一つに対処し研究することである。
 教育実習の意義をよくかみしめ、教育の責任の重大性を自覚して、充実した実習を体験するよう強く願って止まない。なお、教育実習の終了後、早い時期に、お世話になった実習校の校長先生および指導教諭宛てに礼状を差し出すように心がけて欲しい。

城西大学大学院で取得できる「教育職員専修免許状」の種類と教科

教育職員免許状で既に一種免許を取得した方は、大学院で所定の単位を取得することでそれぞれの専修免許状を取得することができます。
研究科課程専攻中学校教諭専修免許状高等学校教諭専修免許状栄養教諭専修免許状
経済学研究科修士経済政策専攻社会公民
経営学研究科修士ビジネス・イノベーション専攻社会公民
理学研究科修士数学専攻数学数学
 修士物質科学専攻理科理科
薬学研究科博士前期薬科学専攻理科理科
 博士前期医療栄養学専攻栄養

最後に

城西大学は、建学の精神「学問による人間形成」に基づき、社会に有為な人材を育成するとともに、人類文化の発展に寄与することを理念としています。この「中学・高校教員を目指す人のための城西大学の教職課程と教職課程センター、スチューデント・インターンシップの詳しすぎるお話」を読まれた方が、建学の精神に賛同され、城西大学で教職を目指すことに邁進して下されば幸いです。
城西大学 教職課程センター
所在地:〒350-0295 埼玉県坂戸市けやき台1-1 城西大学 坂戸キャンパス
設置 2017年(平成29年)4月
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