2012年度展覧会


【この展覧会は終了しました】

水田コレクション展 浮世絵の版元と出版







会 期 : 2012年10月30日(火)〜11月10日(土)
会 場 : 城西大学水田美術館 ギャラリー1
開館時間: 午前10時〜午後4時 ※入館は閉館の30分前まで
休館日 : 月曜日・11月1日(学園祭準備のため)
入館料 : 一般300円、高校生以下無料




浮世絵版画の最大の特徴は、大衆が気軽に購入できる量産された出版物である点です。それを企画から宣伝、販売まで一手に引き受けるのが版元です。一枚の浮世絵は、版元が企画を立て絵師に注文するところから始まり、決して絵師が単独で思うがままに描いたものではありません。その売れ行きは、移ろいやすい大衆の好みや流行を先取りし、人気絵師を起用する版元の手腕にかかっています。喜多川歌麿や山東京伝、無名の東洲斎写楽を売り出した版元蔦屋重三郎は、その卓越した例といえるでしょう。


一方で、出版活動の活発化とともに、幕府の取締りも強化され、寛政期(1789〜1801)には検閲制度が始まります。度重なる禁令や取締りの中でも、版元は、実名を禁じられれば判じ物仕立てで裏をかくような、様々な工夫をして大衆の興味を喚起し、出版は発展を続けました。


浮世絵版画をすみずみまで眺めると、絵師の落款だけでなく、屋号などを意匠化した“版元印”に気づくでしょう。このことは、版元の役割の重要性を物語ります。また、検閲の“改印”は、作品の刊行時期を知る情報源ともなっています。


この度の展覧会は、“版元印”や“改印”に見られる小さな情報に注目し、浮世絵版画を出版の歴史から捉えるものです。初期浮世絵時代から改印の現れる寛政以降、さらに新制度下の明治期までの作品を通し、出版をとりまく社会状況を読み取りながら、ひと味違った視点で浮世絵をお楽しみください。



関連企画
ギャラリートーク(当館学芸員による展示解説)
11月3日(土・祝) 午後2時〜(約30分)