ようこそ清水研究室へ! 私、ゼミ生(K))が清水教授のオリジナル理論のエッセンスを紹介します。

共生マーケティング

 20世紀後半の高度経済成長時代のマーケティングは「儲けティング」とも言えるような「売らんかな」が表に出ていたと教授は言い、従来の4P理論に対して、21世紀型低成長時代のマーケティングを次のように「C」で説明しています。これは1972年、清水教授が早稲田大学大学院生時代に考案したものです。「マーケティング論の新構造」日本商業学会年報、1979年度、柏木重秋編著「マーケティング」白桃書房、昭和57年。

   T 4Pから4Cへ(ラテン語の原義から)

 
従来のマーケティング・ミックス要因(Product,Price,Place,Promotion=4P)について見てみると、
 Product(製品)は「前へ導く」の原義でダクトから吐き出される量産品のイメージがあり、
 Price(価格)だけでは経費の概念が含まれず、製品計画や流通経路のところでそれぞれ論じてもよい。
 Place(場所)は製品が陳列されている場所であり、
 Promotion(販売促進)の原義は「前に進める」ということで「売らんかな」という強い方向性が感じられるとしています。

 清水教授はこれを4Cで説明しています。(1972年考案、73年の修士論文に掲載、1981年(C))
 
Commodity(商品、素材)は「共に便利なもの」、「共に幸せにするもの」であり、
 
Cost(コスト)は「共に立ち上がる」、「犠牲を払う」からきた言葉で、価格だけではなくあらゆる経費の概念が包含されている。
 
Communication(コミュニケーション)は「共に意味を持つ」という原義であり、  Channel(流通経路)は「運河」から来ており、商品の流れといった、よりダイナミックに捉えることができます。

    U 従来の7Pから清水教授の7Cへ

 下表は教授が1981年に作成した比較表です。柏木重秋編著「マーケティング」白桃書房、昭和57年。
 
 従来の高度成長時代のプロ・マーケティングは、左側のように
Producer(メーカー)Purchaser(購買者)に対してProductを造り、Priceを決め、それを売り込むためにPromotionによって見込客にPersuasion(説得)を行うと同時に製品をPlaceに陳列する。その際、Profile(外部要因)を踏まえて売り込めば、これらの結果としてProfit(利益)が増大するというものであったとし、教授は次のように主張しています。

 低成長時代の共生マーケティングは,右側のようにCompany(共にパンを食べる=会社)Corporation(企業および非営利組織)がConsumer(消費者・生活者)に対して,Commodityを造り,Costを考慮し、十分なCommunicationによって需要側をConsent(納得)させると同時に効率的なChannel政策を行う。その際、統制不可能なCircumstances(外部環境)の各要因を十分踏まえる。これら7つのCの遂行によって生活者のConfidence(信頼)を得ることが顧客満足度を高め、低成長時代を生き残る唯一の道と説いています。(1981年) また、教授は高度成長時代のマーケティングをプロ・マーケティング(Promarketing促進マーケティング)と呼び、低成長時代のマーケティングをコ・マーケティング(Comensal marketing=共生マーケティング)と呼んでいます。そして企業と消費者、日本と世界、人間と自然とが共に生きる「共生マーケティング」を提唱しています。次の表の左右をじっくり比較してみてください。


従来とコ・マーケ比較表

 

V 清水教授の共生マーケティング・フレームワーク

----7Cs COMPASS MODEL----  

 共生マーケティングのフレームワークが7Cs COMPASS MODELです。下図は教授が1979年に学会で発表したオリジナル・モデルです。同心円の中心部にはマーケティング戦略の当事者としての1つ目のC、Corporation(企業、団体)と当該企業に対して見逃せない(Competitor:競合他社)があります。企業はマーケティング・ミックス要素として4つのC、つまりCommodity(商品)、CmmunicationChannelCostを遂行します。その外側では企業のマーケティング活動を6つ目のC、Consumer(消費者、生活者)が周りから見張っています。さらにその周りには7つ目のCとして統制不可能な要因、Circumstances(外部環境)があるというものです。

さて、外側の2つのCにはそれぞれ、コンパスの針がN、W、S、Eの4方位を指しています。消費者に対する考慮要件としては、N=Needs(必要性)、W=Wants(欲求)、S=Security(安全性)、E=Education(消費者教育)があります。

 マーケティングの外部環境要因としては、N=National and International(国の政治的・法律的環境および国際環境)、W=Weather(気象、自然環境)、S=Social and Cultural(社会、福祉および文化的環境)、E=Economic(経済環境)があり,これらを考慮すると信頼が得られるマーケティングが遂行できると主張しています。ブランドを維持するには信頼しかありませんね。詳しくは清水公一「共生マーケティング戦略論」創成社

 清水教授はこのうちの「コミュニケーション」が「広告」の上位概念であり、「プロモーション」はもっと狭い概念であると捉えています。清水教授が作成した「7Cs COMPASS MODEL図」をご覧下さい。

参考文献:清水公一「共生マーケティング戦略論」第4版、創成社
       清水公一「広告の理論と戦略」第14版、創成社
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