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2019.06.20
薬学科 お知らせ
【薬学科(6年制)】【特長ある教育】患者さんに寄り添う薬剤師をめざして

城西大学薬局での在宅業務の取組 大嶋 繁 教授(薬局管理学研究室)

 はじめまして。薬局管理学の大嶋です。2007年から城西大学薬局に関わっています。当初の関わりは、認知度を高めるために駅でチラシを配ったり、薬についての講演会を開催することでした。2012年からは在宅業務を開始し、患者宅を訪問するようになりました。現在は教室の教員3名で訪問しています。

 在宅医療に関わるようになって私が経験したことをお話します。パーキンソン病を煩っているおじいちゃんの話です。拘縮が起きていないか確認するために手を握ったところ冷たいのです。そのため、それ以降、手をさすりながら話をするようになりました。そうすると、「先生の手は温かいね」といって微笑んでくれます。パーキンソン病のために表情が乏しいのですが精一杯微笑んでくれるのです。グランドゴルフに行くなど状態のよい日が1週間続いたので、「このところ調子がよいみたいですね」と伝えると、小さな声で「薬のせいかな、あなたがよくしてくれるせいかな、どっちかな」とおっしゃっていました。胸が熱くなりました。私は特別なことをしているわけではありません。患者さんのために、と思ったことを言葉や態度で伝えているだけです。

 薬局で薬を渡すときに心の中で「早くよくなるといいね」と呟きながら渡すことがありますが、声に出すことはほとんどありません。患者さん宅ではその言葉を照れずに声に出して言うことができます。何故でしょう?薬局での対応はどうしても薬剤師目線になります。一方、患者さんの家は患者さんの生活の場ですから、自ずと患者目線になります。患者さんと同じ目線だからこそ、薬局では伝えられない言葉が言えるのだと思います。皆さん、患者さんって薬をきちんと飲むことが当たり前だと思っていませんか?お薬をすべて飲んでいる方が珍しいのです。患者さん宅では薬を忘れずに服用していたら「お薬ちゃんと飲めたんだ。すごいね。」の言葉が無意識に出ます。薬剤師に薬のことで褒められたら患者さんの顔は笑みでいっぱいになります。
 
 私自身、患者さんに癒やされることが多く、この人のためならと思えるようになりました。薬を飲んで欲しい、良くなって欲しいという気持ちは患者さんに通じるものです。寝たきりだった患者さんがきちんと薬を飲むようになり、車椅子で生活できるまで回復しました。
 
 薬剤師である以上、サイエンティストとして薬物治療に関わることは大切ですが、それ以前に、医療人として患者によくなってほしいと強く思う気持ちが大切ではないでしょうか。それが、言葉にそして態度に表れて患者さんに通じるのだと思います。これから一人でも多くの患者さんから「ありがとう」と言ってもらえる存在になるために日々精進して行くつもりです。
 
(薬学科薬局管理学 教授 大嶋 繁)
薬学科薬局管理学研究室のページはこちらからご覧ください。

大嶋先生

大嶋 繁先生 薬学科棟(21号館)前にて

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