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2020.06.13
薬学科 その他
【薬剤師のしごと】Vol. 4 学校でのしごと

*はじめに

みなさんは、薬学部(6年制薬剤師養成課程)を卒業した後の進路として、何を思い浮かべるでしょうか。薬局や病院で見かける薬剤師さんでしょうか。でも、実際の薬剤師さんのお仕事って・・・意外と知られていない様に思います。薬局では?病院では?それ以外に活躍する場ってあるの?意外に知らない事ばかりかもしれません。
そこでここでは、なりたい職業ランキング1上位に位置する「薬剤師」のお仕事や、薬学部卒業後の薬局や病院以外の進路についても紹介していきます。連載企画「薬剤師のしごと」第4弾として、今回は薬局・病院以外での仕事について紹介します。みなさんの進路選択や職業調べの参考になれば幸いです。
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薬剤師のしごとVol. 1 薬局でのしごと_図1

薬局・病院以外のしごと

*この記事は、現職の学校薬剤師が思いを込めて書いています!
皆さんが過ごしている学校に薬剤師が頻繁に登場しているのを知っていますか?実は、薬剤師は幼稚園から高等学校まで、集団生活の中で皆さんの健康維持を手助けしています!!ズバリ、その名は“学校薬剤師”!!

授業中に突然現れて空気などの環境検査やプールの水質検査にきた人、それが学校薬剤師です!!他にも、水道水の水質、給食室の衛生状態、救護室や保健室などのベッドにダニがいないか、隅々まで検査しています!最近では、インフルエンザやノロウィルスなどの感染症が気になる季節になると、どのような消毒薬がよいのかなどの提案もしています。特に、薬物乱用防止講習会などで直接生徒さんと学びあう機会も増えました(写真①)。

学校薬剤師のおしごと③

写真①:薬物乱用防止講習会の様子
学校薬剤師は、生徒の皆さんが安全に過ごせるように頑張っています。そんな“縁の下の力持ち”で目立たないお仕事ですが、皆さんのたくさんの笑顔や元気に集中して勉学に励んでいる姿を見たり、明るく挨拶してもらえることが、とても励みになっています。

学校薬剤師の設置は、法律(学校保健安全法第23条)で定められて、幼稚園、小学校、中学校、高等学校など、大学以外の学校に義務付けられています。その理由には悲しい事件があったからです。事件は、1930年、北海道の小樽にある小学校で起きました。風邪薬を服用するはずが誤って毒物を飲ませてしまい、女児が亡くなってしまいました。その後、全国に薬剤師の必要性が求められて設置が義務化されました。当初は、学校での薬品類の使用・保管に関する職務に従事していましたが、徐々に学校の環境衛生や健康相談、保健指導にも従事するようになりました。

学校薬剤師は、普段は薬局や病院で働いている薬剤師がその任務にあたっていることが大多数です(筆者のように大学の教員が行うのは珍しいかもしれません)。この仕事をするためには、国家資格の薬剤師免許を取得することは当然ですが、薬剤師の誰もがすぐに学校薬剤師として活動できる訳ではありません。学校薬剤師は “医薬品に関する知識”だけでなく、学校の環境衛生を保つために“衛生化学、分析化学の知識”を駆使しなければなりません。このような専門知識は、薬学部で学び、さらに薬剤師として働きながらも日々勉強して情報を更新していきます。また、学校薬剤師には、【教育にふさわしい人間性を持つ】【教育に正しい理解を持つ】【職務に必要な知識の研鑽(講習会、研修会への参加)】が必要とされており、児童生徒を大切にする心とそのための知識が求められています。

実際に、学校薬剤師として活動し始めるには、学校から要望を受けた教育委員会が地域の薬剤師会に依頼し、その薬剤師会に所属する薬剤師が推薦され、受けることが多いです。
幼稚園・学校等での児童生徒の心身の健康を守り、安全・安心を確保するために、学校環境衛生の維持・管理は、健康的な学習環境を確保する観点からとても重要です。検査項目は20以上あり、例えば教室の換気については、温度や湿度だけでなく、二酸化炭素や夏に揮発しやすいホルムアルデヒドなどの濃度を測定しています(写真②)。換気が適切にされなければ、体調の維持や集中力、学習意欲を保つことはとても難しいのです。また、ダニアレルゲンについては、それと反応する抗体を用いた「酵素免疫法」という手法によって検査をしています(写真③)。アレルギーを持つ児童生徒の数は年々増えており、健康被害から守るためには学校環境中のダニの検査を定期的に行うことが大切です。このように学校薬剤師は、これらの学校環境衛生保持の取り組みによって、皆さんが体調を万全に学習意欲を維持して、のびのびと学べる場を守っています。

もし心配なことがあれば、地域の身近な学校薬剤師に気軽に相談してくださいね。
 

学校薬剤師のおしごと①

写真②:空気の検査の一例

学校薬剤師のおしごと②

写真③:ダニの検査の一例
今回は、薬局・病院以外での活躍の場として、幼稚園・学校等での仕事について紹介しました。ここまで読んでくださったみなさんは、少なからず薬学部に興味を持っている方でしょう。薬学部卒業生の進路についてイメージは出来ましたか?薬学部で薬について学ぶと、薬局や病院さらにはその他のさまざまな場所で活躍する機会が待っています。このページが、みなさんの将来へのイメージ作りにお役に立てたなら幸いです。
今後も、薬剤師の様々な仕事について紹介していきたいと思います!乞うご期待!
 
薬剤師の様々なしごとについて、さらに詳しく知りたい方はこちらの動画もどうぞ。
『こんなトコロでも活躍!~城西薬学部の先輩たち~』

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