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2021.07.19
医療栄養学科研究科 お知らせ薬学研究科(研究科内)
【医療栄養学科】【研究】身体活動が体内の活性型コラーゲンオリゴペプチド代謝に及ぼす影響を解明【プレスリリース】

210719ACOPプレスリリース図

・研究ポイント
・活性型コラーゲンオリゴペプチド(ACOP:エーコップ)を認識する抗体を開発、尿中濃度の測定法を確立
・アスリートのランニング・トレーニングが、尿中ACOP濃度を低下させることを確認
・体調や健康を把握・改善するための身体活動マーカーとして、今後のACOPの研究・活用に期待

・研究概要
城西大学薬学部医療栄養学科の真野博 教授の研究グループは、活性型コラーゲンオリゴペプチド(ACOP)の健康機能に着目し、城西大学薬学部・男子駅伝部、東京農業大学、順天堂大学、新田ゼラチン株式会社との産学協同研究で行われ、「ACOPを高感度に認識する抗体を用いた尿中ACOP濃度の測定法」を確立し、「身体活動による尿中ACOP濃度の変動のモニタリング」への応用に成功しました。
本研究論文は、「Scientific Reports(サイエンティフィック・リポーツ)」に掲載されました。
・研究手法と成果
本研究は、城西大学男子駅伝部の選手46名を対象としました。朝食前の早朝練習(平均走行距離13キロメートル、1時間のランニング)の前後に尿採取、尿中成分を分析しました。試験前日の夕食時のCP摂取状況を調査し、CP摂取群22名と非摂取群24名に分け、CP摂取と身体活動の影響を比較しました。その結果、両群ともに、身体活動による尿中ACOP濃度の低下が認められました。また、運動前の尿中ACOP濃度はほぼ同様で、前日のCP摂取の影響は認められませんでした。これらの現象をもとに、体内ACOP量を推測すると、体内からのACOP供給量よりも身体活動によるACOP消費量が上回っていることが示唆されます。

・研究背景と目的
活性型コラーゲンオリゴペプチド(ACOP)は、皮膚、骨、軟骨や筋肉などの損傷の予防や回復を促す効果が認められ、スポーツ栄養の分野で注目されています。ACOPは、体内のコラーゲン代謝過程で生成されますが、コラーゲンペプチド(CP)を摂取することにより、体内に効率良く補充できることがわかっています。一方、体内のACOPがどのような時に、どのくらい利用・排出されるかについては詳しくわかっていません。また、ACOPの研究によく登場する質量分析計は、高度な分析・研究を可能にする一方、導入・運用コスト面の都合で利用しにくい一面がありました。そこで、我々のグループは、近年開発された抗ACOP抗体を用いて、研究に導入しやすいELISA法による、尿中ACOP濃度の測定法の確立、CP摂取・身体活動時における尿中ACOP濃度のモニタリングに着手することにしました。

・今後の展開
先行研究から、体内のACOP量は、性差、年齢、食事、健康状態、身体活動などに影響されることが予測されています。より幅広い対象者のACOPのモニタリングデータを収集・解析することで、アスリートを含め、多くの人たちの健康の維持・増進に貢献できる研究になると考えられます。ACOPの変動ファクターを明らかにしていくことで、CPの適切な摂取タイミングや摂取量がわかるようになり、一人ひとりにあわせたテーラーメイド型のCP補給も可能になることが期待されます。
・論文著者からのコメント
コラーゲンペプチド/活性型コラーゲン
オリゴペプチドは、「人生100年時代」を健康に生き抜くために必要な第7の栄養素として着目されています。本研究は、コラーゲンペプチド代謝の基礎研究の成果を報告したものであり、ACOPを活用した体調の管理改善や怪我の予防治療につながる取り組みができたと思います。アスリートの競技パフォーマンスの向上から高齢者の健康寿命の延伸など、社会の課題解決に貢献できる研究者を目指していきたいと考えます。

・用語説明
ACOP(エーコップ): 活性型コラーゲンオリゴペプチド(ACOP)は、CPに含まれている、プロリンと水酸化プロリンから構成されているペプチドの総称です。特に、プロリルヒドロキシプロリンやヒドロキシプロリルグリシンは、体内ACOPにおける主要成分であり、多くの生理作用があることが報告されています。
CP(シーピー):コラーゲンペプチド(CP)は、食品からコラーゲンを抽出、消化分解、粉末化することで、水に溶けやすく普段の食事で使いやすくなった健康食品です。そのまま食品からコラーゲンを摂取するよりも、手軽に、たくさん摂取することができ、低分子化されているので、消化吸収速度が優れていることが特徴です。
ELISA法(エライザ法):特定の抗原に抗体を結合させ(抗原抗体反応)、その抗体を酵素で標識し、酵素と基質の反応量(発色や発光の強さ)を指標とすることで、抗原を検出・定量する測定する方法です。

・研究支援
科学研究費(若手研究19K15794)

・論文情報
論文名:Monitoring urinary collagen metabolite changes following collagen peptide ingestion and physical activity using ELISA with anti active collagen oligopeptide antibody
DOI:10.1038/s41598-021-92934-1.

・食品機能学研究室の関連論文
Kimira et al. Jpn Pharmacol Ther(薬理と治療). 2019
Nomura et al. Biosci Biotechnol Biochem. 2019  doi: 10.1080/09168451.2019.1642099.
Kimira et al. Cell Mol Biol Lett. 2017  doi: 10.1186/s11658-017-0060-2.
Shimizu et al. Biochem Biophys Res Commun. 2015  doi: 10.1016/j.bbrc.2014.12.006.
Kimira et al. Biochem Biophys Res Commun. 2014  doi: 10.1016/j.bbrc.2014.09.121.

・研究に関するお問い合わせ先
城西大学 薬学部 医療栄養学科 教授 真野博(まのひろし)
電話:049ー271ー7246     メール:h-mano@josai.ac.jp

・広報に関するお問い合わせ先
城西大学 広報課
電話:049ー271ー7543     メール:koho@stf.josai.ac.jp

研究室紹介ページURL:
https://www.josai.ac.jp/education/pharmacy/nutrition_dep/laboratory/bunshieiyou.html
ハッシュタグ:
https://lab.naninaru.net/seminar/U25800/josai_pharmacy_shimizu
城西大学薬学部医療栄養学科
食品機能学研究室
真野博先生
 真野先生

君羅好史先生
 君羅先生

大澤吉弘先生
 
食品機能学研究室紹介ページURL:
https://www.josai.ac.jp/education/pharmacy/nutrition_dep/laboratory/syokuhinkinou.html
ハッシュタグ:
https://lab.naninaru.net/seminar/U25800/josai_pharmacy_mano
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