学生たちが手がけるカフェ。キャンパスを超えた交流が生まれる場所、ジェムズキッチン。

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- Kai Naito
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- Fumihito Kouzu
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- Hideki Shibayama(HOUYHNHNM)
【CROSS TALK】 学生たちが手がけるカフェ。キャンパスを超えた交流が生まれる場所、ジェムズキッチン。
城西大学の坂戸キャンパスには、学生たちが自ら企画・運営するカフェがあります。その名は「ジェムズ キッチン(JMS KITCHEN)」。実践的な活動を通じてマネジメントを学ぶサークル「城西マネジメント研究会」によって2024年10月にオープンしました。その中心的役割を担うのが、経営学部マネジメント総合学科の近内輝さんと宇治川早希さんです。二人はどのような思いでキャンパス内にカフェをオープンしたのでしょうか? また、カフェの運営を通じて得た学びとは? 本人たちに聞いてみました。
INDEX
PROFILE
近内 輝(経営学部 マネジメント総合学科)
城西マネジメント研究会 会長
宇治川早希(経営学部 マネジメント総合学科)
城西マネジメント研究会 副会長
オープンに向けた準備を通じて、マネジメントの実践的なスキルを学んだ。
まずは「ジェムズ キッチン」のオープンに至った経緯を教えてください。

近内 経営学部のゼミの授業で「地域活性化」について話し合っていた際、学生自身が地域に貢献できる方法を考えるなかで、カフェのアイデアを思いつきました。ゼミの先生や仲間たちと話すうちに、地域の特産品を使った料理を提供するカフェが地域にとってプラスになるのではないかと考えたんです。議論を重ねるなかで「カフェを開きたい」という思いがどんどん強まっていきました。
「ジェムズ キッチン」のオープンに向けて、具体的にどのようなアクションを起こしましたか?
近内 ゼミ内で意気投合したメンバーとともに、カフェのコンセプトや運営の方法について話し合いました。最初はただのアイデアとして始まったのですが、学内外のさまざまなイベントでキッチンカーを運営していた先輩たちの影響もあり、実際に店舗を開こうという決断に至りました。ゼミのメンバーを中心に、地域活性化のためにどんな料理を提供できるか、何を重要視するべきかを考えながら、学校や学部とも交渉を重ね、「ジェムズ キッチン」を開店する準備を進めていきました。
宇治川さんはどのような経緯で「ジェムズ キッチン」に関わることになったのですか?
宇治川 私はサークルの副会長として運営に関わることになりました。近内から「カフェを開きたい」という話を聞いたとき、地域活性化に貢献できることに魅力を感じましたし、カフェの運営を通じてマネジメントの実践的なスキルを学べると考えたんです。学生が運営するカフェというのは、卒業後に企業で働く前に貴重な経験を積める場でもあると考え、その経験を得ることができるのは大きなチャンスだと思いました。

「ジェムズ キッチン」のオープンに向けて準備を進めていくなかで、どのような課題がありましたか?
近内 もっとも大きな課題だったのは、初期費用です。カフェを開店するには設備機器の調達や内装工事、食材の仕入れなど、想像していた以上に多くのコストがかかることがわかりました。継続して運営していくためにはランニングコストもかかります。私たちには予算の管理や経理に関する知識が不足していて、当初は手探り状態でしたが、運営を進めながら学ぶことができました。

宇治川 最初は本当に大変でしたね。私も近内も店舗を運営した経験がなく、実際にカフェを開くための準備がどれほど大変かを実感しました。でも、苦労した分、カタチになった時の喜びはひとしお。みんなで一緒に作り上げていく過程が楽しかったです。食材をどこで仕入れるか、どんなメニューにするかを決めるのも、みんなで考えたアイデアを出し合いながら進めました。
地元の食材を使うことで、地域に貢献。

「ジェムズ キッチン」の特徴や、提供するメニューについて教えてください。
近内 「ジェムズ キッチン」のコンセプトは“地産地消”。地元の農家さんからこの地域の特産品を食材として仕入れて、リゾットやおはぎを作っています。地元で作られた食材を使うことで、この地域の魅力を伝えることができますし、農家の方々とも繋がりができます。
宇治川 社会課題となっているフードロスの削減にも力を入れていて、地元で余っている食材を無駄なく活用することを心がけています。これらの取り組みは、地域貢献にも繋がるとともに、「ジェムズ キッチン」の特徴になっています。
近内 看板メニューの「贅沢リゾット」は、埼玉・川越産の紅はるかを使用したクリーミーなリゾットです。紅はるか特有のねっとりとした食感と強い甘みを楽しめます。お米は埼玉・川越産の桂木ゆず米。このお米を作っている農家さんが城西大学の卒業生という縁もあり、仕入れさせてもらっています。
宇治川 もうひとつの看板メニューである「魅惑のおはぎ」にも、埼玉・川越産の紅はるかを使っています。埼玉・毛呂山産のゆずをふんだんに使用した「ゆずソーダ」とのセット注文が人気です。

近内 美味しいものを提供したいという思いでやっているので、味には自信がありますよ。
宇治川 提供しているリゾットやおはぎは誰にとっても親しみやすいメニューですし、学生が運営しているということで、このキャンパスに通う学生だけでなく、地元の方々からも応援していただいているのを感じます。
地域活性化のハブとして、みんなから愛される場所に。
「ジェムズ キッチン」の運営を通じて、どのような学びや成果が得られましたか?
近内 たくさんありますが、特に「コミュニケーションの大切さ」を肌で感じました。スタッフ同士の連携や、お客様とのコミュニケーションは、カフェの運営において非常に重要です。当初は上手くいかないこともありましたが、宇治川たちとともに試行錯誤しながら少しずつ改善していく中で、チームワークの大切さを実感しました。また、実際にビジネスを運営する感覚が身についたことも大きな収穫です。

宇治川 私は、経営やマネジメントの視点から、実践的に学べたことが大きな収穫でした。カフェを運営する中で、在庫管理や販売戦略、価格設定など、細かな部分まで学ぶことができました。学生としてはなかなか経験できないことを実践的に体験できたことは、これから社会に出る際にも大きな自信につながると考えています。
「ジェムズ キッチン」の今後の展望や目標についてお聞かせください。
近内 今後は、地域との連携をさらに強化し、新しい商品開発にも挑戦していきたいと考えています。また、学生が運営するカフェとして、他の大学や団体と協力する機会も増やしていけたらと思っています。「ジェムズ キッチン」が、地域の活性化と学生たちの成長の場として、みなさんに愛される場所になれるよう努力していきます。
宇治川 「ジェムズ キッチン」を地域活性化のハブとして、地元の魅力を広く伝えられる場所にしていきたいです。また、学生が自分たちで運営しながら、実践的に学べる場を提供し続けていきたいと考えています。そのためにも、ひとりでも多くの人に「ジェムズ キッチン」を知ってもらい、地域との繋がりを深めていきたいですね。
