埼玉在住の日本画家 久保孝久(1950~)の風景画をご紹介します。
久保は、1973年、埼玉大学教育学部美術科を卒業後、日本画家の大野百樹に師事し、1999年から西田俊英の指導も受け、県展をはじめ、日本美術院展などに出品、様々な賞を受賞しながら画歴を積み重ねてきました。
30代では滝をテーマに、関東・関西にある滝を描くことに熱中、40代以降は、高原の道とそこに残る雪に魅了され、現在も続くテーマとして描いています。
また、海の波の美しさに心を打たれ、千葉県鴨川に取材した作品も残しています。
常に自然と向き合い、静けさの中にも僅かな時間の流れ、空気の変化をつぶさに捉えながら、それを画面に表現する久保の風景画からは、高潔さを感じると同時に、どこか親しみのある気持ちも抱かせてくれます。
本展では、院展に初入選した1981年から近作までの16点を二期に分けてご覧頂きます。I期は1980年代から90年代、II期は2000年代から現在までの作品を展示します。本展を通し、作家が見つめ続けてきた自然の静かな息吹を感じ取ってください。