埼玉県南西部から中部にかけて流れる荒川水系の一級河川、高麗川。
その高麗川のほとりで歩みを続けてきた城西大学は本年創立六十周年を迎えました。
本展では、豊かな自然環境と清らかな水流を有する高麗川に焦点を当て、環境と食と健康をテーマに高麗川の「今」と「未来」を考えます。
「高麗川(こまかわ)」は荒川水系の支流の一つで、城西大学の学歌にも歌われている、地域にゆかりの深い川です。上流にダムがなく、中流域にも大規模な市街地が存在しないことから、「埼玉県内で最も清らかな川」とも称されています。自然のままに「うねうね」と蛇行する川の流れには、現在もカワセミやカジカなどの多くの生きものが生息しており、水遊びに興じる子どもたちや、鮎漁に勤しむ大人たちの姿も見られます。
都心に近接しながら、豊かな自然が残る埼玉県西部を流れる高麗川。この川を舞台に、「環境と食と健康」をテーマとした展覧会を企画いたしました。
ギャラリー1では、高麗川にゆかりのある二人の著名な写真家、嶋田忠氏と平野伸明氏のご協力のもと、「高麗川自然百景」と題して、「高麗川の生きもの」を捉えた写真と映像を展示いたします。また、水田美術館らしく、川魚漁に関連する浮世絵作品もご紹介します。
ギャラリー2では、「高麗川伝統鮎投網漁」や「環境教育と高麗川」と題し、高麗川での環境保全活動を行う「高麗川かわガール」の取り組みを紹介します。また、「高麗川の自然と食」では、伝統的な鮎料理や、地元の著名な飲食店による特別な鮎料理を展示いたします。さらに、医療栄養学科による「魚介類の機能性と魚介類料理の紹介」も行います。特に、城西大学男子駅伝部の創部25周年を記念し、アフリカ・ケニアの魚料理と、そのアレンジメニューもご紹介します。
多目的スペースでは、本展と連携した「荒川流域の自然百景 写真コンテスト」の受賞作品を展示し、映像コーナーでは、すべての応募作品をご覧いただけます。
本展を通して、水環境を舞台に「環境と食と健康」のつながりについて、あらためて考える機会となれば幸いです。
最後に、本展は、城西大学創立60周年、医療栄養学科 25周年、男子駅伝部 25周年、そして「高麗川かわガール」 10周年を記念して企画されたものです。
高麗川物語 企画・監修
城西大学 薬学部 医療栄養学科 教授
男子駅伝部 部長
高麗川かわガール 顧問
真野 博