羊と馬とAIと、日の丸シール。

カザフスタンを歩いたら、「薬学」の見え方が変わった。
羊と馬とAIと、日の丸シール。
一見、何の関係もなさそうな4つです。
でも、城西大学薬学部の3人が訪れた中央アジア・カザフスタンでは、すべてが「薬学」につながっていました。
2026年5月、城西大学薬学部の杉林堅次特命教授、井上裕教授、鈴木龍一郎教授が、カザフスタン最大の都市アルマトイを訪れました。
大学の研究室から、病院、街の薬局、企業まで。3人と一緒にカザフスタンを歩いてみると、日本にいるだけでは気づかなかった「薬学」の世界が見えてきます。
一見、何の関係もなさそうな4つです。
でも、城西大学薬学部の3人が訪れた中央アジア・カザフスタンでは、すべてが「薬学」につながっていました。
2026年5月、城西大学薬学部の杉林堅次特命教授、井上裕教授、鈴木龍一郎教授が、カザフスタン最大の都市アルマトイを訪れました。
大学の研究室から、病院、街の薬局、企業まで。3人と一緒にカザフスタンを歩いてみると、日本にいるだけでは気づかなかった「薬学」の世界が見えてきます。
羊がいて、馬がいる。だから研究も変わる。
カザフ国立医科大学では、カザフスタンだけでなく、中央アジア諸国やインド、中近東などから集まった学生たちが学んでいます。
そこで3人が出会った大学院生が研究していたのが、羊毛から得られる「ラノリン」です。
羊が多いカザフスタンでは、その土地に豊富にあるものが研究材料になっていました。
そして、もう一つ、カザフスタンの暮らしと深く結びついているのが「馬」です。
広大なステップが広がる中央アジアでは、古くから馬が移動手段として人々の暮らしを支えてきました。カザフスタンでは馬肉を食べる文化もあり、羊だけでなく、馬もまた人々にとって身近な存在です。
さらに馬は、研究にもつながっていました。
日本でもスキンケア素材として知られる「馬油(ばあゆ)」。馬油はヒトの皮脂に近い脂肪酸組成をもち、肌になじみやすいことから化粧品にも使われています。
一行が訪問した製薬会社では、その馬油から抽出したさまざまな成分について研究が行われ、「日本にも輸出できないか」という話も出たといいます。
羊毛からラノリンを研究する学生。
馬とともに暮らす文化から、馬由来成分の研究へ。
その土地の暮らしや資源が、そのまま研究の種になる。
国が変われば、身近なものも変わります。そして、身近なものが変われば、研究テーマも変わります。
世界に出ると、同じ「薬学」でも違う景色が見えてきます。
そこで3人が出会った大学院生が研究していたのが、羊毛から得られる「ラノリン」です。
羊が多いカザフスタンでは、その土地に豊富にあるものが研究材料になっていました。
そして、もう一つ、カザフスタンの暮らしと深く結びついているのが「馬」です。
広大なステップが広がる中央アジアでは、古くから馬が移動手段として人々の暮らしを支えてきました。カザフスタンでは馬肉を食べる文化もあり、羊だけでなく、馬もまた人々にとって身近な存在です。
さらに馬は、研究にもつながっていました。
日本でもスキンケア素材として知られる「馬油(ばあゆ)」。馬油はヒトの皮脂に近い脂肪酸組成をもち、肌になじみやすいことから化粧品にも使われています。
一行が訪問した製薬会社では、その馬油から抽出したさまざまな成分について研究が行われ、「日本にも輸出できないか」という話も出たといいます。
羊毛からラノリンを研究する学生。
馬とともに暮らす文化から、馬由来成分の研究へ。
その土地の暮らしや資源が、そのまま研究の種になる。
国が変われば、身近なものも変わります。そして、身近なものが変われば、研究テーマも変わります。
世界に出ると、同じ「薬学」でも違う景色が見えてきます。
薬局に入ったら、日本が見えた。
アルマトイ市内の薬局で目に入ったのは、日本製品に貼られた日の丸のシールです。
一方、韓国コスメは豊富な品ぞろえで、大きなスペースを占めていました。
日本の商品は、海外でどう見られているのでしょうか。世界では今、どんな商品が選ばれているのでしょうか。
研究室を出て街を歩いてみると、そんなことも見えてきます。
海外へ行くと、外国だけではなく、日本も見えてくる。
街の薬局も、見方を変えれば世界を知る場所になります。
一方、韓国コスメは豊富な品ぞろえで、大きなスペースを占めていました。
日本の商品は、海外でどう見られているのでしょうか。世界では今、どんな商品が選ばれているのでしょうか。
研究室を出て街を歩いてみると、そんなことも見えてきます。
海外へ行くと、外国だけではなく、日本も見えてくる。
街の薬局も、見方を変えれば世界を知る場所になります。
そして、世界の薬学はAIへ。
カザフ国立医科大学で開催された国際フォーラムには、世界各国から研究者が集まりました。
テーマは、AIやデジタル技術を医療や教育にどう生かしていくか。
城西大学の3人も、それぞれの専門分野とAIを組み合わせた研究について発表しました。
天然物研究×AI。
一人ひとりに合わせて薬を届ける技術×AI。
医薬品をつくる技術×AI。
羊や馬といった、その土地に根ざした研究がある一方で、世界の研究者たちが議論していたのは、AIを活用した薬学の未来でした。
化学、生物、情報、AI――。高校では別々に見える分野も、実際の研究の世界では交わっています。
「薬学を学ぶ」といっても、その世界は薬だけではない。
カザフスタンで見えてきたのは、土地や暮らしに根ざした研究からAIを活用した最先端の研究まで広がる、薬学の大きさでした。
テーマは、AIやデジタル技術を医療や教育にどう生かしていくか。
城西大学の3人も、それぞれの専門分野とAIを組み合わせた研究について発表しました。
天然物研究×AI。
一人ひとりに合わせて薬を届ける技術×AI。
医薬品をつくる技術×AI。
羊や馬といった、その土地に根ざした研究がある一方で、世界の研究者たちが議論していたのは、AIを活用した薬学の未来でした。
化学、生物、情報、AI――。高校では別々に見える分野も、実際の研究の世界では交わっています。
「薬学を学ぶ」といっても、その世界は薬だけではない。
カザフスタンで見えてきたのは、土地や暮らしに根ざした研究からAIを活用した最先端の研究まで広がる、薬学の大きさでした。
ところで、なぜカザフスタン?
今回の訪問の始まりは、2025年に日本で開かれた国際会議でした。
そこで杉林特命教授がカザフ国立医科大学の研究者と出会い、その後も交流を続けたことから、国際フォーラムへの参加や学生への講義へと発展しました。さらに井上教授、鈴木教授も加わり、今回の訪問につながりました。
つまり、3人をカザフスタンまで連れていった最初のきっかけは、一人の人との出会いでした。
研究を広げるのは、新しい技術や設備だけではありません。人と出会い、知らなかったことを知ることも、新しい学びの入口になります。
一つの出会いが、ときには国境を越えていく。
そこで杉林特命教授がカザフ国立医科大学の研究者と出会い、その後も交流を続けたことから、国際フォーラムへの参加や学生への講義へと発展しました。さらに井上教授、鈴木教授も加わり、今回の訪問につながりました。
つまり、3人をカザフスタンまで連れていった最初のきっかけは、一人の人との出会いでした。
研究を広げるのは、新しい技術や設備だけではありません。人と出会い、知らなかったことを知ることも、新しい学びの入口になります。
一つの出会いが、ときには国境を越えていく。
3人に、ひとつだけ聞いてみました。
杉林堅次 特命教授
Q. 一人の研究者との出会いから、今回のカザフスタン訪問までつながりました。高校生に伝えたい「人と出会うことの面白さ」とは何ですか?
知らないことを、知っている人から聴くのは楽しいものです。「知ること」が楽しくなれば、自然と態度や表情も変わってきます。人との出会いは、そのスタートです。そんな人たちが集まれば、周りも変わっていく。楽しいことは分かち合い、苦しいことは共に乗り越える。人との出会いには、そんな力があると思います。
Q. 一人の研究者との出会いから、今回のカザフスタン訪問までつながりました。高校生に伝えたい「人と出会うことの面白さ」とは何ですか?
知らないことを、知っている人から聴くのは楽しいものです。「知ること」が楽しくなれば、自然と態度や表情も変わってきます。人との出会いは、そのスタートです。そんな人たちが集まれば、周りも変わっていく。楽しいことは分かち合い、苦しいことは共に乗り越える。人との出会いには、そんな力があると思います。
井上裕 教授
Q. カザフスタンで見たものの中から、高校生に一つだけ見せられるとしたら、何を選びますか? それはなぜですか?
Q. カザフスタンで見たものの中から、高校生に一つだけ見せられるとしたら、何を選びますか? それはなぜですか?

カザフスタンでは、馬肉を使った伝統料理「ベシュバルマク」などが食べられています。食文化一つをとっても、日本との違いを感じます。一方、薬学や科学について語れば、国や言葉が違っても思いはつながります。「科学は国境を越える」。高校生の皆さんにも、世界に目を向け、薬学を通して人とつながる楽しさを感じてほしいと思います。
鈴木龍一郎 教授
Q. 今回の滞在で、ご自身の「当たり前」が一番変わった瞬間はありましたか?
大学教員には男性が多いというイメージを持っていましたが、訪問した大学の薬学部では、多くの女性教員が教育・研究の第一線で活躍していることが印象に残りました。今回の訪問を通して、自分が無意識に持っていた「当たり前」を見直すきっかけになりました。
Q. 今回の滞在で、ご自身の「当たり前」が一番変わった瞬間はありましたか?
大学教員には男性が多いというイメージを持っていましたが、訪問した大学の薬学部では、多くの女性教員が教育・研究の第一線で活躍していることが印象に残りました。今回の訪問を通して、自分が無意識に持っていた「当たり前」を見直すきっかけになりました。
カザフスタンで、「当たり前」が少し揺らいだ。
羊、馬、化粧品、AI、食文化、そして世界の人たち。
一見バラバラに見えるものも、カザフスタンを歩いてみると、すべてがどこかで「薬学」につながっていました。
でも、3人が見つけたのは、薬学の広さだけではありません。
海外へ行くと、日本が見える。
違う文化に触れると、自分の「普通」に気づく。
知らない人と出会うと、知らなかった世界が始まる。
そして、その入口にあるのは、案外シンプルなものなのかもしれません。
「これ、なんだろう?」
薬学に興味がある。
化粧品が好き。
AIが気になる。
海外へ行ってみたい。
まだ何を学びたいのか、よく分からない。
入口は、どこからでもいい。
大学で学ぶことは、答えを覚えることだけではありません。
自分がまだ知らない「問い」に出会うこと。
その問いは、羊から始まるかもしれない。
馬から始まるかもしれない。
AIかもしれない。
あるいは、たった一人との出会いかもしれません。
「これ、なんだろう?」から、学びは始まります。
一見バラバラに見えるものも、カザフスタンを歩いてみると、すべてがどこかで「薬学」につながっていました。
でも、3人が見つけたのは、薬学の広さだけではありません。
海外へ行くと、日本が見える。
違う文化に触れると、自分の「普通」に気づく。
知らない人と出会うと、知らなかった世界が始まる。
そして、その入口にあるのは、案外シンプルなものなのかもしれません。
「これ、なんだろう?」
薬学に興味がある。
化粧品が好き。
AIが気になる。
海外へ行ってみたい。
まだ何を学びたいのか、よく分からない。
入口は、どこからでもいい。
大学で学ぶことは、答えを覚えることだけではありません。
自分がまだ知らない「問い」に出会うこと。
その問いは、羊から始まるかもしれない。
馬から始まるかもしれない。
AIかもしれない。
あるいは、たった一人との出会いかもしれません。
「これ、なんだろう?」から、学びは始まります。
この旅の続きは「カザフスタン滞在記」で
今回紹介したのは、カザフスタン滞在のほんの一部です。
現地の学生や研究者との交流、病院や企業への訪問、国際フォーラムでの発表、そして初めて訪れた中央アジアで感じたことなど、杉林堅次特命教授が「カザフスタン滞在記」に詳しくまとめています。
現地の学生や研究者との交流、病院や企業への訪問、国際フォーラムでの発表、そして初めて訪れた中央アジアで感じたことなど、杉林堅次特命教授が「カザフスタン滞在記」に詳しくまとめています。
Interview & Text Ami Hirai