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センター長メッセージ


数理・データサイエンスセンター長
大島 利雄

第4次産業革命でデジタルトランスフォーション(DX)が社会の様々な分野で進展する中で、城西大学数理・データサイエンスセンター(CMDS; Center for Mathematical and Data Science)が2021年4月1日に設立されました。
当センターは、学部・大学院ならびに各センターと連携し、数理・データサイエンスにかかる教育・研究をサポートし、さらに学外との教育・研究機関等とも連携・交流を図ることを目的としています。
データサイエンスのデータとは事実・結果のことであり、より具体的には国勢調査や種々のアンケート調査、気象観測、医療における診断画像や血液検査結果、人間や生物の遺伝子情報(ゲノム)、人の移動や購買のデータ、webページのアクセス状況、運転中の自動車から得られるリアルタイムの映像、コンビニなどの商店の販売履歴、株価などの経済データ、種々の学術研究における実験結果、文字の並びとしての文章、学生の成績など、様々なものが考えられます。
サイエンスとは、それを分析して判断したり、予測したり、より高い価値を生み出すことです。AI(人工知能)技術の急速な進展とそれのあらゆる分野への応用がこれを支えています。
第3次産業革命はデジタル産業革命と言われ、コンピュータやインターネットなどの情報通信技術(ICT)が社会に大きな変化をもたらしました。現在では、これらの飛躍的な発展により、ビッグデータが瞬時に広く取得・伝達・供給できるようになり、ビッグデータ、AI、 IoT(Internet of Things; モノのインターネット)、暗号などがキーワードとなる第4次産業革命の時代へ入りました。
このような社会の大きな変化の中で、政府は2019年年6月に「AI戦略2019 ~人・産業・地域・政府全てにAI~」を発表し、全ての大学の全ての学生に「数理・データサイエンス・AI」の基礎知識を学ぶことを要請し、さらにより高いレベルのデータサイエンススキルを持った人材の育成を求めています。
様々な分野に関わっているデータサイエンスを学ぶのは難しいことと思われるかも知れませんが、それは当たっていないと私は思います。
私は数学者で表現論という分野の研究をしていたことがありました。1980年代に世界数学者会議に招待されたときの昼食の際、臨席した数学者に「表現論の研究は大変でしょう。代数、幾何、解析など多くの分野が関係していますから」と言われたとき「私は、解析的手法で研究してきました。解析を使って、代数や幾何のことが理解できるので、とても面白いのです」と答えました。
データサイエンスは「データ」をキーワードとした文理融合の近づきやすいサイエンスです。学びが進んでいけば、機械学習などのAIやそれを支える数学・統計への理解を深めたり、医療や経済などへのAIの具体的応用に進んだり、といったより専門的な様々な分野の学びや活用へと進んでいく道が開けてきます。
数理・データサイエンスセンターは、これからの社会で求められるこのようなより広い視野を持った人材の育成と、それを支える数理科学の研究の推進に努めていきます。
数理・データサイエンスセンター センター長 大島 利雄