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年間行事


城西大学大学院・城西大学・城西短期大学 式典


2022年度(令和4年度)

2022年度(令和4年度)城西大学大学院・城西大学 学位記授与式

告辞

城西大学、城西短期大大学 卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

本日は、このように多数のご来賓、ご家族にご臨席をいただきまして、令和四年度学位記授与式、並びに卒業式を挙行できますことは、本学にとりまして大きな喜びであります。ご参列の皆様方に厚く御礼申し上げます。
ただいま、大学院博士課程、修士課程の修了 79名、学部卒業 1,405名、別科卒業 7名、短期大学卒業 74名、総計 1,565名の皆さんに学位記 並びに修了証書を授与いたしました。

卒業生の皆さんを支えてこられたご家族、ご親族の皆様と ここに至るまで共に歩んでこられた周囲の皆様方にも心よりお慶びを申し上げます。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、2020年春に始まりました。本日、短期大学を卒業する皆さんが入学した時には、既に感染対応は始まっていました。4年制、6年制の皆さんは入学後、しばらくして感染拡大が始まりました。途中、一時は収まるのかと思われましたが、結果的には3年間続きました。わたしが学長として本学に着任したのは2020年4月でしたから、私にとっても、新型コロナ感染とともに過ごした3年でした。

この3年の間、皆さんは新型コロナ感染の影響を、様々な形で受けたことと思います。どんなことが辛かったですか? 対面授業が出来ない時期が続き、心理的にも困惑したこともあったでしょう。それを乗り切って、今、皆さんが卒業式に臨めていることに、感慨を覚えます。

今から50数年前に、日本中の大学でいわゆる「大学紛争」が起き、様々な問題で大学と学生が対立状態になりました。1968年に私は大学に入学しましたが、6月には全学ストライキで授業が中止になり、翌年の3月までストライキが続き、東大入試が中止という事態にもなりました。大学が潰れるという噂もながれ、不安に感じました。私は、残りの3年で、4年分の授業を受け、何とか、卒業しましたが、絶対的な学習時間の少ない大学生活でした。その期間,私は、ストライキで時間的余裕があったので、本を読む習慣がつきました。今から考えると、普段とは違う経験を積むことで、新しいことを始められて、よかったと思います。皆さんはいかがでしょうか。まだこの状況を受け入れられないでいる方も多いことでしょう。ただ、10年、20年後に、社会人としての日々を過ごしたのち、コロナ禍があったお陰で、趣味が増え、今までと違う活動をし、新たな人との出会いがあったなどと、前向きな印象で思い返せるようになっていてほしいと願っています。

我が国において、ようやく感染状況が落ち着ついてきました。そして、本日のこの会場もマスクをしなくてもよいということになりました。そういう中で卒業できる皆さんは、『 Restart1期生 』、つまり、ポストコロナの時代に社会に出る一期生 ということになります。

今日は、卒業される皆さんに3つのことをお話ししようと思います。
それは、学び、仲間、始まり の3つです。

まず 始めは、「学び」です。 城西大学の建学の精神は「学問による人間形成」です。学問、すなわち 学ぶことから人間が作られるという意味です。この、人間形成で言う人間にはいろいろな意味が含まれています。社会をリードできる人間、社会に貢献できる人間、みんなに尊敬される人間、みんなに親しまれる人間・・・いろいろな人間像があります。

皆さんは、本学で様々なことを学んだと思いますが、大事なのは知識ではありません。学び方です。膨大なデータにアクセスが容易になり、AI、いわゆる人工知能の発達の中で 大事なのは、課題をいかに見つけるか? 新しい課題に直面したとき、どのようなアプローチで解決策をみつけるか? です.
大学での「学び」の中で獲得した学び方を社会でも実践し、さらに 新しい学び方を見つけてください。学びは生涯続くもので、終わりはありません。

次に「仲間」です。学校や大学は学びの場ですが、友人を作ることの大事さも忘れてはなりません。クラスメート、先輩、後輩に加えて、先生や職員の方とも知り合いになれたことは大変な財産です。友人よりももっと広い意味で、仲間と呼びます。城西大学は、ともに育ちあう大学を目指しており、沢山の仲間が出来たことと思います。その仲間を大事にしてください。

会社などの組織に入ると、上司がいたり、しばらくすれば、部下ができたりするでしょう。皆さん、日本は上下関係で動くタテ社会で世の中がまわっているということはご存じでしょう。タテ社会は、やるべきことが決まっているときは、効率的です。しかし、現代は何が起きるかわからない、先が見えない、読めない社会です。今、イノベーションという言葉を聞かない日はありません。新しい価値の創造であるイノベーションはタテ社会からは生まれません。バックグランドや分野の違う人とのつながりから、イノベーションが生まれることが多いと言われています。仲間とのヨコのつながりが大事なのです。Restartの1期生らしく、自分でも仲間を作る努力をし、いろいろな仲間に受け入れてもらえるよう、生涯、魅力的な皆さんであり続けてほしいと思います。

最後に、「始まり」について述べます。日本では卒業式と言いますが、英語圏ではcommencement ceremony と言います。直訳すると開始式です。ちなみに始業式はopening ceremonyと言います。卒業というと終わりのイメージがありますが、英語圏では、新しいスタート、始まりを意味するのです。皆さんにとって今日は城西大学、城西短期大学を卒業され、新しい世界に入っていく、始まりなのです。何か心に決めたことがあったら、今すぐ始めてください。何かを始めるのに遅すぎるということは決してありません。いくつになっても、新しいことを始める「始まり」をもっていただきたいと思います。

結びに、卒業生皆さんのご健康とご活躍を心から祈念し、また、町中や電車の中で、私を見掛けたら、声を掛けてくださることをお願いして、終わりにします。

改めまして、ご卒業おめでとうございます。
令和五年三月十七日
城西大学 学長 藤野陽三

午前の部:2022年度(令和4年度)城西大学大学院・城西大学 入学式
午前の部:2022年度(令和4年度)城西大学大学院・城西大学 入学式

2021年度(令和3年度)

午前の部:2021年度(令和3年度)城西大学大学院・城西大学 入学式
午後の部:2021年度(令和3年度)城西大学大学院・城西大学 入学式
午前の部:2021年度(令和3年度)城西大学大学院・城西大学 学位記授与式
午後の部:2021年度(令和3年度)城西大学大学院・城西大学 学位記授与式

2020年度(令和2年度)

午前の部:2020年度(令和2年度)城西大学大学院・城西大学 学位記授与式
午後の部:2020年度(令和2年度)城西大学大学院・城西大学 学位記授与式
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