情報科学研究センター

 
  学校法人城西大学
情報科学研究センター広報
- Information Science Research Center News -
2021.3.31 Vol.27 No.1  
情報科学研究センター  

清光会館正面(補正済み)

<写真:広報課提供>


巻頭言

情報科学研究センター 
 所長 中村俊子 
 1年前の心配が現実となり、2020年度は新型コロナウイルスの感染が国内外で拡大し、これまでに経験したことも想像したこともないまさに未曾有の1年となりました。入学式が中止となり、前期授業もゴールデンウィーク明けの5月11日まで開始が延期され、しかも最終的にはオンライン授業として実施されました。また、国の緊急事態宣言発令に伴い、大学構内への立ち入りが禁止となり、学内の諸活動が停止した時期もありました。情報科学研究センターでは昨年3月のうちから、4月に着任予定であった藤野陽三学長と対応の協議を開始し、新年度早々に学長をリーダーとするオンライン講義特別プロジェクトチーム、続いて若手支援チームを発足していただき、オンライン授業に対応しました。チームには各学部学科の教員および各部署の職員の方々が参加され、学長主導の全学的な体制で緊急事態を乗り越えることができました。この1年間の会議開催は30回を数え、オンライン授業の形態・実施方法・成績評価や各学科における問題点等を徹底的に報告し話し合ってきました。会議システムZoomの導入も、メンバーの先生方のトライアル利用を通して検討が行われ、この会議において決まりました。前期授業開始後6週間が経った頃にオンライン授業に関するアンケートを実施し、学生の皆さんに感想や困っていること等を尋ねましたが、予想以上にオンライン授業が受け入れられ、不安を感じながらも多くの学生が頑張って学習に取り組んでいる様子を把握することができ、一安心するとともに、寄せられた要望や苦情は改善の参考とさせていただきました。後期からは一部科目において対面授業も再開されましたが、大部分は相変わらずオンライン授業が続きました。対面授業をオンラインで同時配信するハイブリッド型の授業も経験しましたが、板書事項をデジタルノートやタブレットに書きながらの配信、プレゼンテーションスライドを提示した授業、PCを用いた実習、それぞれに反省点はあるものの学生を目の前にして授業できる喜びはひとしおでした。
 この1年間でWebClassやMicrosoftのTeams、Formsをはじめe-Learningシステム等の利用が浸透し、各種会議や打ち合わせもZoomやTeamsによるオンライン形式やチャット形式が増えました。e-Learningシステムの不具合やネットワークの不調により、ご迷惑をおかけしたこともありました。この機会に重ねてお詫び申し上げます。
 2021年度は基本的に対面授業に戻りますが、反転授業やアクティブラーニング、また資料や作業のデジタル化など、情報システムの利用がますます進むことと思います。情報科学研究センターでは、今後も情報化の推進と、より便利で快適な情報環境の提供に努めてまいります。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

情報教育システム(SCNL2018)の教育効果

経済学部
 経済学部では、コンピュータ・情報技術関連の授業を入門・初級レベルから中級レベル、資格・検定試験対策レベルまで段階別に設置し、講義およびパソコン実習を通じた情報教育を実践している。
 入門・初級レベルの授業には、「コンピュータ・リテラシーⅠ・Ⅱ」「情報技術Ⅰ・Ⅱ」「実践プレゼンテーション」があり、これらはパソコンやインターネットに関する予備知識を持たない学生を対象としている。中級レベルの授業には、「情報技術Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ」「表計算ソフトによる数量分析」があり、基本的な知識やスキルをすでに身につけた学生が各種ソフトウェアを利用しながら、さらなるステップアップを目指す内容となっている。また、資格・検定試験対策を行う授業としては、ITパスポート試験のための「IT論Ⅰ・Ⅱ」のほか、基本情報技術者試験を目標とする「情報学特講Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ」「情報技術Ⅶ・Ⅷ」「IT論Ⅲ・Ⅳ」が設置され、毎年多くの合格者を出している。
 上記のような情報教育を目的とした授業に加えて、経済学分野の実証分析を扱う授業においても、パソコン上で操作可能な各種ソフトフェアの利用が進んでいる。例えば、統計学や計量経済学、その他応用科目の授業では、データの整理や統計処理、計量分析の実習のために表計算ソフトのMicrosoft Excelや統計パッケージのStata、Rなどが活用されている。現実のデータを使って行うパソコン実習による指導は、学生たちの授業への積極的な参加を促し、学習効果も高めている。
 必修のゼミナール(セミナー)の授業においても、研究発表や学外討論会のプレゼン資料の作成のためにMicrosoft PowerPointが使われ、またレポートや卒業論文の執筆のために「日経テレコン」「聞蔵Ⅱビジュアル」「日経BP記事検索」「東洋経済デジタルコンテンツ」といった記事検索データベースが活用されている。
 近年では、1年次配当の「コンピュータ・リテラシーⅠ・Ⅱ」の指導内容をやや高度化し、パソコン操作に関する一般的な資格であるMicrosoft Office Specialist(MOS)検定対策のための知識・スキルも扱うようになっている。また、今年度新設のデータサイエンスコースでは、プログラミングなどAI(人工知能)・データサイエンス分野の教育をスタートさせている。その他の科目についても、情報技術関連の資格・検定合格を目指す学生のニーズに対応して、授業内容・レベルの改善や配当年次の変更などを柔軟に行っている。
 なお、今年度は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策のため、教室での対面授業をほとんど実施できず、情報教育も含め多くの授業をZoomやTeamsなどWeb会議システムを利用してオンライン(リアルタイムあるいはオンデマンド)で行った。
経営学部
 コロナ禍における307PC室の利用は感染症対策のため84席を24席に減らして授業を行った。1クラス60人程度であることから3チームに分けて教室での対面授業が3回に1回行えるようにした。ハイブリッド環境での授業は教室内にマイク音声を飛ばしながらオンラインにも音声を飛ばす必要があることから新しいデバイスを使いながら学習効果を最大限に高める工夫を行った。
 経営学部ではWebClassを学部創設当初の2004年から導入し、積極的にe-learning教育を進めてきた。現在まで継続しているWebClassの特徴的な活用方法は次の通りである。
 教務関連では、ゼミナール、基礎ゼミのエントリーに利用している。上記の事務処理を行うことで、学部事務室の紙での処理がなくなったことから、業務の軽減へとつながっている。更に、電子データを多方面に活用でき、事務処理の効率化も達成された。
 また、多くの教員がWebClassによる出欠管理を採用しており、IPアドレスとその重複管理による「なりすまし」防止と集計の簡便化を実現している。
 このように、経営学部の学生は、WebClassだけでなくTeams、Zoom、Outlook、One Driveなど新しいソフトウェアを利用しながらコンピュータに触れる機会も増え、授業でのコンピュータ活用を抵抗なく受け入れることができている。以下では、そのような経営学部学生の情報教育システムの教育効果を「資格取得」、「教職科目」から述べる。


オンラインによる日商PC検定を実施

 2004年の学部開設当初からミニマムスタンダード(基礎的資格取得)教育を実践してきた。これは、簿記、情報、語学(英語)の1年次の必修科目で検定試験の合格を含めた教育指導である。情報については、平成27年度まで、「マルチメディア検定ベーシック」を目標にしていたが、平成28年度からは、ミニマムスタンダードを「日商PC検定(データ活用)ベーシック」に変更した。2020年度はコロナ禍の中、検定試験の実施は限定的であったが、2021年2月に日本商業会議所のご協力を頂き、オンライン検定を実施することができた。日商PC検定3級では文書が11名受験して11名合格、プレゼンテーションでは3名受験して3名合格、データが6名合格して6名合格と100%の成果が出た。大学院生も留学生でありながら3級の3科目をすべて合格とした学生が1名いた。
 情報ミニマムスタンダードを達成した学生に対して、平成24年度から「情報エキスパートⅠ・Ⅱ」を開講している。この科目は「ITパスポート試験」や「情報セキュリティマネジメント」を意識した学習内容で、さらなる知識向上を目指している。また、「ITパスポート試験」や「情報セキュリティマネジメント」へのモチベーションを高めるために、情報ミニマムスタンダードより上級の検定にチャレンジする試みも今年度から実施している。メディアリテラシーという授業では「日商プレゼン3級」を、シミュレーション演習入門では「日商PC検定(データ活用)2級」を受検するように促している。


高等学校教職科目の教科情報指導

 経営学部では商業科、社会科公民に加えて保健体育科、情報科の教員免許を取得できるため、PCを使った演習科目を多数開講している。2020年の改定で高等学校の情報科は「社会と情報」「情報の科学」2科目から、「情報Ⅰ」「情報Ⅱ」の2科目へ再編され、「情報Ⅰ」は必修となり、プログラミング教育が含まれる点で注目されている。
経営学部では、情報科教員やIT系への就職を目指す学生へ向けたプログラミング実習科目やネットワーク実習科目として、「情報デザイン演習Ⅰ・Ⅱ」と「プログラミングⅠ・Ⅱ」がある。「情報デザイン演習Ⅰ・Ⅱ」では、HTML5とJavaScriptを使い、英語と日本語のWebサイトを完成させている。Webサイトに組み込むコンテンツ制作に関しては、画像編集ソフトを活用し、アニメーション等を制作している。完成したサイトは分析のため、学内サーバにアップし、学生間で相互に評価を行っている。「プログラミングⅠ・Ⅱ」はJavaやphp言語を使用し、ソフトウェア開発に必要な要求定義工学を学び、「簿記システム」を制作し、システム開発の興味を深め、経営学への学習意欲を高めている。
現代政策学部
 現代政策学部では,コンピュータ関連科目として,2020年度は「コンピュータ・リテラシーI・II,A・B」,「プログラミングI・II,A・B」,「情報セキュリティ特殊演習A(個人情報保護)」,「情報セキュリティ特殊演習B(企業情報)」,「情報学概論Ⅰ・Ⅱ,A・B」,「情報セキュリティ論」,「情報倫理とセキュリティ」,「情報通信政策論」を開講した。
 「コンピュータ・リテラシーI・II,A・B」については,すべての学生に一定レベルの基本的なスキル・知識・モラルを身につけてもらうため,2020年度より学部必修科目となった。また,より効果的なコンピュータ・リテラシー教育を実現するため,2007年度からレベル別クラス編成を導入しており,今年度も引き続き実施した。入学後に「コンピュータの基礎知識に関する確認テスト」(50問)をWebClassのテスト機能を使用し実施し,その成績に応じてクラスを分けた。
 2020年度も引き続き,前期の「コンピュータ・リテラシーI,A」においては,主にSCNL2018の利用,Power Point(プレゼンテーションソフト)・Word(ワープロソフト)の基本的な操作方法と機能の修得を目指した。後期の「コンピュータ・リテラシーII,B」においては主にExcel(表計算ソフト)の基本的な操作方法と機能・利用方法の習得を目指した。前年度と同様に,中学・高校でOffice系ソフトに触れる機会が多かった学生が以前と比べると増えてきており,上位クラス及び中位クラスの一部の学生にとっては,共通の教科書に沿った授業内容では進度が遅すぎる傾向が出てきた。そこで, 2015年度より,上位クラスについては,基本操作については共通の教科書を利用したが,より応用的な課題を毎週の授業内で提示して,学生が考えながらそれに取り組むなど工夫を施した。今年度は,より応用的な課題への取り組みを強化し,学部共通の教科書を用いながらも,レベル差に対応できるように改善した。
 一方で,コンピュータにほとんど触れたことのない学生もまだ存在しているため,下位クラスについてはできるだけ共通の教科書に沿って,重要な操作を繰り返しレクチャーすることで,ソフトウェアの一定レベルの使いこなしを習得することを目指した。このようにレベル別クラス編成によって,それぞれの学生たちに合わせたコンピュータ・リテラシー教育を実施することができた。
 2009年度から導入されたe-learningシステムであるWebClassについては各教員が工夫をしながら活用をすすめてきたが,今年度はオンライン授業の実施にともない,目的や内容に合わせた幅広い活用が見られた。具体的には,すべての授業(講義系・実習系・セミナー系含む)において,資料掲載,出席確認,試験・課題を実施した教員や,試験の正答を試験日翌日にWebClassで公開したり,学生の提出課題を配布資料として他の学生に参照できるようにしたりするなど,学生へのフィードバックを目的とした活用法が挙げられる。また,資格試験取得を目指したセミナーでは,WebClassのテスト機能を用いて,学生たち自身が自習問題を作成する学習法など,e-learningの新しい活用法も考えられるようになった。また,2011年度からの新規機能であるe-ポートフォリオについては,コンピュータ科目だけではなく専門科目でも活用がはじまった。
 授業評価アンケートを2017年度後期より一部授業、2018年度より授業評価の対象全科目でWebClassを使用し実施した。さらに、2018年度より留学に関するアンケート調査、留学中のファイル共有についてWebClassを使用し実施した。
また、2020年度は前期授業開始が遅れたことから、授業前教育とプレイスメントテストを実施した。授業前教育では、全学年に対して日本データパシフィックの有償コンテンツ「レポートの書き方」,「学生生活のモラルと規範」を実施するとともに、オンライン授業に備えた各種ソフト等のインストールを実施させ、各システムへのアクセスを誘導した。今年度新たにWebClassを使用した点としては、「オンライン授業における環境調査」、「満足度調査や授業評価アンケート」、「留学生の出席管理」のアンケート機能での実施があり、上記以外には、後期履修変更受付を行った後に、本人のみ閲覧できる仕組みで履修確認表を開示した。学生自らで常に単位をマネジメントし、成績不良による退学を防ぐことを目的として、「成績通知書の公開」、「WEB成績システムの公開」を実施することで、期間外でも成績が確認できる環境を構築した。
 その他では,スマートフォンの急速な普及により,日常の学生生活の中でパソコンをあまり利用しない学生が増えてきている印象がある。「コンピュータ・リテラシー」などでは,一時期に比べてまったくパソコンに触れたことのない学生はほとんど見受けられなくなったが,一方でパソコンでの利用方法(例えば,メールの件名,ファイルの添付,ファイル名をつけての保存など)が身に付いていない学生が目立つようになってきた。今後はハイブリットでの授業実施も予測されるため、この辺りの状況に対応できるように授業を組み立てていく必要があると考えている。
理学部
数学科

 数学科では、坂戸キャンパス・紀尾井町キャンパス共に情報系科目を多く開設しており、そこではコンピュータを用いた演習が教育の中に取り入れられている。例えば、1年次の専門科目「計算機入門I・II」では、UNIXやプログラミングの入門的教育を行っている。2年次の「計算機数学A・B」および「プログラミングIA・IB」で専門的教育が始まり、3・4年次の「プログラミングIIA・IIB」、「実用アルゴリズム論A・B」、「情報数学A・B」、「暗号理論A・B」、「符号理論A・B」、「応用数値解析I・II」、「情報研究I・II」、「情報システム論I・II」、「数理モデル論I・II」に続く一貫した情報教育カリキュラムを組んでいる。また、専門科目の「コンピュータによる統計」、「数式処理による解析」「数式処理による代数A・B」では、Excelおよび統計解析ソフトRを用いたデータ処理や、数式処理ソフトMapleを用いた解析学・代数学のコンピュータ演習を行っている。具体的な使用例や教育効果をあげてみると、「数理モデル論I・II」においては、通常教室で行う数値解析の理論的な講義内容を基に、C言語によるプログラミング実習を実施して、受講生に深い理解と技術の習得をうながしている。(* 一部科目は片方のキャンパスでのみ開講。)

 WebClass・Teamsは情報系科目に限らず数学科の多くの科目で出席確認、オンデマンド教材・講義資料・授業スライド・演習プリント等の提示、レポート課題の提出、オンライン試験実施などに積極的に活用されている。加えて、Zoom等のオンライン会議システムによる、質疑応答も含めたリアルタイム配信も多く利用されている.
 また、数学科では、新入生対象の「入学前指導」のため、WebClassを利用している。毎年、推薦入試および指定校推薦合格者に対してレポートを課しており、送付したレポート課題や解答用紙をWebClassからも閲覧・ダウンロード可能にするとともに、解答のヒントなども提示している。さらにレポート提出後には、復習のためZoomによるリアルタイム解説も実施し、質疑応答を含めて盛況なものとなっている。また、全新入生に対して、テスト・アンケート機能で微積分の確認ドリルを実施している。レポート提出率は今年度もほぼ100%で、LMS導入後は正解率も向上しており、その効果がうかがえる。


化学科

 化学科では1年次の「コンピュータ・リテラシーⅠ」を基礎に、2年次には専門科目「情報科学序論」および「コンピュータ入門」でExcelを用いた実験データの処理、3年次には「情報科学Ⅰ」でC++言語入門、「情報科学Ⅱ」でVisual Basicによるグラフィックスプログラミングを学ぶ科目が設置されている。また「物理化学実験」では計算機実験としてExcelマクロを用いたヒュッケル分子軌道法による分子軌道計算ならびに軌道の等高線表示を行っている。このような基礎的情報教育を通して、以下に掲げる4項目の能力を養っている。

1.    化学の信頼できる情報の所在等を理解し、必要な情報を収集できる。
2.    収集した情報を整理し、資料作成に適切に活用できる。
3.    分子構造を描画できる。
4.    実験データの整理、統計処理、図示ができる。

 また、習得した知識および技能を、学生実験のデータ整理や、有機化学実験の反応式の作図に活用している。このことにより、情報活用能力の育成とともに、マクロ実験では理解が困難な現象についても理解度が向上する等効果が見受けられる。この他、一般の授業においても、WebClassを用いた電子教材の提示が行われ、授業の理解度を深める工夫がされた教材により、高度な内容の理解を容易にしている。4年次の「卒業研究」においては、化学計算ソフトChemDraw、Gaussian等を用いた複雑な分子構造の決定や分子間の相互作用の研究、電子・原子・分子の運動のシミュレーションプログラム作成と表示、NMRスペクトル・赤外スペクトル等のスペクトルデータの表示とその解析方法・帰属方法のプログラム作成と活用等に情報機器が利用されている。また、「卒業研究」では、卒業研究報告書の作成にExcelやR等のグラフ表示やその他ソフトによる化学構造式表示等で情報機器が活用されている。卒業研究発表会では全員がPowerPointを用いており、プレゼンテーション能力の開発に充分効果がうかがえる。
 最後に本年度はコロナ禍でのリモート講義が主流であったため、WebClass/Teams/Zoomなどを利用した講義が大多数であった。9月以降は回線容量・速度を考慮してと思われるが1号館内の演習室のPCを利用して聴講する学生もかなり見うけられた。今後はこのような使われ方もある程度考慮していく必要があるのかもしれない。少なくとも構内回線速度は10Gbps~40Gbpsの程度にスピードアップを計っていく必要があるのではないか。
薬学部
薬学科

 本年度はコロナ禍の影響を受けて、一部の学内実習を除いて、授業、演習や実習はZoomによるリアルタイム配信のオンライン授業、あるいはMicrosoft Streamによるオンデマンド授業が実施された。後期には、一部の科目で対面とリアルタイムオンラインのハイブリッド授業が行われた。授業では、Microsoft Teamsによるレポート課題の提示や提出、Webclassを活用しての授業の出席管理、オンライン試験やレポート提出が行われた。チーム活動を取り入れた一部の演習科目ではOneNoteを活用し、Zoomによるリアルタイムの議論を共有するためのツールとして用いた。加えて、Microsoft Teamsによる研究室内でのデータの共有や情報のやり取り、さらに学生教育をサポートするための教員の委員会活動でもMicrosoft Teamsが活用されている

 情報科学リテラシーは、主に1年次の前期「フレッシュマンセミナーA」で行われている。最初に、(1)情報倫理についての注意、(2) 大学内のコンピュータの使い方、(3) メールやインターネットの使い方、(4)Webclassなどの教育支援システムの活用の仕方、(5) ポートフォリオを用いた学習記録法などを学ぶ。次に簡単なWordExcelの操作も学ぶ。ここまでは必修であり、全員が基本的な操作ができるものとして、授業で出された課題に対するインターネットでの調査、Webclassを用いた各教科からの演習問題への解答、実習でのグラフ作りやレポートの作成等にコンピュータは日常的に使われている。
 選択科目としては、2年次の「情報科学」という集中講義(演習も含む)の中で、WordExcelに加えて、PowerPointの活用を本格的に習う。更に、456年次の学生には、IT・グローバリゼーション論、データ解析とコンピュータ利用という2つの科目が用意されており、特に、薬学的な観点からコンピュータの利用を学んでいる。
 実習関係では、薬学実習AおよびB(1年次)、薬学実習C2年次)、薬学実習E3年次)、薬学総合実習演習BC実務実習事前実習(4年次)など、それぞれで、実験結果の解析、薬理作用に関するコンピュータシミュレーションや薬歴管理システムなどを学んでいる。
 また、5年次生の学外実務実習を行う前に、薬学共用試験として「知識および問題解決能力を評価する客観試験(CBTComputer-based Testing)」の合格が4年次で要求されている。そして、今年度で12回目のCBT21号館と18号館のコンピュータを総動員して行われた。さらに、CBT結果の個別発表をWebclassで行っている。
 5年次の学外実務実習は全てWebシステムを使って管理している。具体的には学習の進捗状況の入力、実習日誌の入力、教員との連絡はすべてコンピュータあるいは個人のデバイスを用いて行っている。その他、任意ではあるものの多くの学生は、症例検討の発表の準備のための資料収集およびプレゼンテーションなどにコンピュータを活用している。
 さらに、6年次の卒業研究でも、論文作成のために、コンピュータを使って情報を収集し、SAS (Statistics Analysis System)Excelで実験結果を集計し、Wordを使ってレポートにまとめ上げている。集大成としての卒業研究の発表会では、全学生がPowerPointWordを使って、研究室内で発表をしている。また、2年次~4年次後期には、国家試験を見据えた各前学年次までの総復習である「薬学総合演習A」、「薬学総合演習B」、「薬学総合演習C()」の内外、および6年次には、国家試験に向けた6年間の総復習である「薬学総合演習」の外で、Webclassを活用し、知識の定着・確認をしている。
 加えて、薬学専攻の大学院生の教育研究においても、「薬探索特論」、「薬物治療学特論」などの講義や、研究テーマに関して、文献調査(PubMedSciFinderなど)、実験結果の集計、統計処理や解析(Excel統計、RSASSPSS)、表やグラフの作成(Excel)はもとより、報告書作成、発表媒体の作成・プレゼンテーションなどに、パソコンを駆使している。



薬科学科

 1年次の「フレッシュマンセミナー」で一通りのコンピュータリテラシーを修得した後、インターネット検索により医薬品、化粧品、健康食品の安全性についてまとめ、PCによりプロダクツを作成してプレゼンテーションを行っている。また、同じくインターネット検索により、企業研究を行い、将来の進路ならびに就職活動へのイメージづくりを行っている。本年度はzoomを用いたオンラインでグループディスカッションと発表を行った。2年次には、薬理学の授業の中で、コンピュータシミュレーションを使用して、薬理作用の理解に利用されている。また、薬科学実習Cでは、実習で得られたデータを表計算ソフトExcelを用いて図表化する事で、使用方法を習得している。
 更に、3年次の薬科学実習Eでは、自然科学分野のデータ解析に必須である統計解析手法を修得するため、統計解析ソフトウェアのSAS (Statistics Analysis System) の使用法を学び、実際に実習での実験結果を解析している。4年次には、研究室に配属され、卒業実験の一環として、文献検索、卒業実験論文作成、卒業実験発表媒体の作成・プレゼンテーションなどに、1~3年次に修得した知識技能を駆使して、コンピュータを活用している。卒業実験発表会では、全員がオンラインまたは対面でPowerPointを用いてプレゼンテーションを行なった。
 その他、学部の講義でもWebclassをとおして講義資料の公開、確認試験、レポート提出を行い、授業アンケートも実施し、各教員へのフィードバックも行なっている。本年度はオンライン講義が主体であったため、Webclassを活用した講義がほとんどであった。
 大学院の講義でも化合物の安定性や反応性の計算結果を3次元的にコンピュータ表現するなど、大いにコンピュータを利用している。また、最新の病気や薬の情報は活字となる前にインターネットで公開されている場合が多く、コンピュータを使って情報を収集し、Wordを使ってレポートにまとめ上げている。さらに、集大成としての修論の発表会では、全院生がオンラインでPowerPointを使って発表した。


医療栄養学科

 今年度は新型コロナ感染症の影響により5月11日の前期授業開始当初よりオンライン授業が実施された。学生ごとのネット環境や端末環境の違いにより苦労した点も多かったが、授業開始までに学内メールやWebClassなどの利用について周知し、Zoomを使ったリアルタイムのオンライン授業をほぼ全員が受講できる体制を構築した。一年を通じたオンライン授業、一部Streamでのオンデマンド授業動画視聴、WebClassやFormsを使った小テストの実施、オンラインによる定期試験などにより学生のみならず教員のICTへの理解とスキルが高まる1年となった。
 1年次配当の「栄養情報科学演習」の教育目標は「情報の収集、整理、提供を効果的に行えるようになるために、基本となるソフトウェアの取扱いや使用、インターネットを利用した情報の収集、開示、各種データベースの使用法に関する基本的知識と技能を身につけること」である。その目標を達成するたにワープロソフト(Word)、表計算ソフト(Excel)、プレゼンテーションソフト(PowerPoint)、ウエブ閲覧ソフト(インターネットエクスプローラー)、Webmail、Webclassなどの教育支援システムを中心に基本的使用法とその応用を演習により修得している。また、上級学年における栄養計算の基礎を学ぶ目的でエクセル栄養君による献立作成と栄養計算の演習も取り入れている。また昨年度からは専門職として情報発信の重要性について理解し実践できるための新しい内容を取り入れている。具体的にはhtmlの基礎を学びホームページ作成や、効果的なプレゼンテーションの手法を学ぶと共にパワーポイントの動画機能などを使った内容を取り入れた。
 2年次以降、栄養情報科学演習で身につけた基本技能の応用として上位学年配当の栄養教育論A・B及び栄養教育論実習や給食経営管理実習での栄養評価または献立の評価のための栄養計算に活用したり、患者への栄養教育のための情報収集や資料作成の演習に応用したりすることで、実践での応用力も身につけられるよう配慮されている。また、解剖生理学実験Bでは、自ら行なった薬理実験から得られたデータを使って、統計処理(Excel統計)やグラフ作成(Excel)を行ないデータの科学的分析と評価の基礎を学んでいる。
 各研究室に配属した4年生の卒業実験や医療栄養学専攻の大学院生の教育研究においても、研究テーマに関する文献調査や実験結果の集計、統計処理や解析(Excel統計やSPSS)、表やグラフの作成(Excel)にパソコンを駆使している。最終的には卒業研究あるいは修士論文発表では全ての学生がパワーポイントを使用して、わかりやすい効果的な発表が出来るようになっている。また、薬学部教員によって作成され、インターネット上で公開されている「食品‐医薬品相互作用データベース」や「抗がん剤と食事の相互作用・禁忌食品データベース」を利用した教育も行われている。データベースの内容を利用した学習もさることながら、教育活動の一環としてMEDLINEなどの医学系論文検索サイトで新たな相互作用の報告を自分で検索して、原書を入手してその内容からデータベースレコードを作成することにも挑戦している。これらの作業を通して、情報の利用にとどまらず自ら情報を発信するための知識と技能をも身に付けられている。
短期大学
1.13号館のPC演習室とその利用状況について

  本年度は前期がオンライン授業となり、後期は、一部はオンライン授業等の他対面授業として利用された。十分な感染予防対策のため利用定員を減らした運用となった。13号館における2020年度のPC演習室の概要を表1に示した。各演習室のPC設置台数とインストールされているソフトウェアは、昨年度と同様である。401、403教室は情報リテラシー教育とデザイン演習などのメディア教育に利用されている。短期大学の授業以外に現代政策学部等の授業にも活用されている。409教室はAdobe Premiereがインストールされていることからもわかるように、映像処理などに特化した教室である。412教室は主にオープンルームとして、短期大学生、別科留学生、学部学生に利用されているが、授業でも活用されている。例年401教室および403教室は、MOS検定などのJUキャリアラウンジの各種講座でも活用される。

 
表1 13号館のPC演習室の概要(2020年5月現在)
演習室PCの台数主なソフトウェア備考
40140台MS Office, Visual StudioPC演習室
40340台MS Office, Visual StudioPC演習室
41220台MS Office, Visual StudioPC演習室
4096台Adobe Premiere, Photoshopマルチメディア室


2.PC演習室を利用した2020年度開講科目とその教育効果について

(1)情報リテラシー教育における活用と効果
 PC演習室を利用した2020年度開講科目を表2に示した。短期大学生全員に対する情報リテラシー教育を担っている科目がコンピュータ演習I、IIである。コンピュータ演習Ⅰでは、はじめに電子メール、WebClass等の利用方法について学び、さらに表計算(MS Excel)について詳しく学ぶ。コンピュータ演習IIでは、ビジネス文書作成(MS Word)などを行っている。

(2)情報専門教育における活用と効果
 短期大学における情報専門教育の1つの目的は、「会社の実務で使えるビジネスコンピューティング教育」である。主にExcelを用いた高度な表計算能力とビジネス文書の作成能力の向上が主眼である。

 次に、短期大学ではプログラミング言語教育にも力を入れている。コンピュータの操作技能の向上だけにとどまらず、自らがアプリケーションソフトウェアを開発する能力がこれからの時代は求められてきている。短期大学では、初級プログラミング演習および中級プログラミング演習を開講している。同演習では、Visual Basicを開発言語として利用し、プログラム開発能力の向上に努めている。卒業後にSE(System Engineer)として就職する学生もあり、その教育効果があると考えられる。今後、ますますこのような専門性をもった短期大学生が社会で必要とされていくことが予想される。また、2年次開講のビジネスコンピューティング演習では、MS Excelの財務関数など、実務でよく使われる関数について学んでいる。さらに、経営プログラミング演習では、Excel VBA(Visual Basic for Applications)を学び、種々のマクロ機能やExcelプログラミングについての演習を行っている。コンピュータ会計では、基礎的な会計実務知識の理解と、クラウド環境を利用する会計ソフトによる演習を主眼としている。

 情報専門教育の3つめの柱はマルチメディア教育である。その中の1つは画像処理に関する教育で、デザインの基礎、デザイン演習で画像処理の基本的な技能を習得し、具体的な作品の作成を行っている。2つめは映像処理技能の習得である。映像制作の基礎、映像制作演習では、学生自らが映像の撮影・編集・書き出しなどの一連の作業を行い、作品を制作しており、映像処理に必要な全ての技能を習得している。
 
表2 PC演習室を利用した開講科目(2020年度開講)
科目名年次 使用する主なソフトウェア
コンピュータ演習I1必修MS Excel, PowerPoint
コンピュータ演習II1必修MS Word MS Excel
コンピュータ応用演習1選択MS Excel, PowerPoint
初級プログラミング演習1選択Visual Studio
中級プログラミング演習1選択Visual Studio
ビジネスコンピューティング演習2選択MS Excel
経営プログラミング演習2選択MS Excel(VBA)
コンピュータ会計2選択MS Excel Internet Explorer
デザインの基礎選択Adobe Photoshop
デザイン演習1選択Adobe Photoshop
映像制作の基礎選択Adobe Premiere
映像制作演習選択Adobe Premiere

ICT講習会等報告

センター講習会報告

薬学部 医療栄養学科
須永 克佳
日時:2020年12月4日(金)13:30 ~ 14:50  
場所:水田三喜男記念館 講堂(Zoomによるオンライン併用)

内容:

1.  学長挨拶  

2. 「WebClassの試験機能の紹介」
   講師:城西大学情報科学研究センター 小櫻 美保 氏

3.  本学におけるオンライン試験・授業実施事例紹介 

 (1)「医療栄養学科2年生後期科目「総合演習A」に向けた取り組み」
薬学部医療栄養学科 基礎教育委員会 菊地 秀与 先生

 (2)「リッチーのオンライン授業の進め方 実例:プロジェクト型学習」
現代政策学部 リッチー ザイン 先生

 (3)「WebClassを利用した試験実施の事例紹介」
理学部数学科 中村 俊子 先生


4. 質疑応答
 新型コロナウイルスの感染状況が見えない中、学年末試験に向けてオンライン試験を実施する際に参考となる情報、オンライン授業における授業参加態度や学習効果の公正・公平な評価に関する情報の提供・共有を目的とした講演会であった。今回の講習会は会場とオンラインの併用で行われ、参加者はオンライン参加が大多数を占めたが168名であった。また、大学院薬学研究科でTA業務に携わる大学院生のFDとしても指定されたため、参加者のうち54名が大学院生であった。
 情報科学研究センターの小櫻氏からは、WebClassの試験機能について実演を交えて実践的な機能紹介をしていただいた。続く事例紹介で、薬学部医療栄養学科の菊地先生からは、WebClass、Zoom及びFormsを使い様々な工夫を取り入れることで実施したオンライン試験の事例が紹介された。また、現在政策学部のリッチー先生からは、ZoomとTeamsを使用したプロジェクト型学習における形成的評価方法、Zoomのブレイクアウトルームを活用して録画したプレゼンテーション動画による評価法などの紹介があった。理学部数学科の中村先生からは、WebClassを使用した数学の試験において大問ごとに複数登録した問題を学生ごとに異なる問題あるいは順序で出題されるWebClassの機能を活用した方法などが紹介された。
 今回の講習会では、オンライン授業あるいは試験において形成的評価あるいは統括的評価を行う際の様々な工夫など、参考となる貴重な情報の共有ができた。一方で、試験実施に際して本人確認や試験中の不正(連絡を取り合う等)あるいは通信環境への配慮など、解決すべき問題点も提起され今後の取組みの参考となる充実した内容であった。

2020年度センター活動の概要

 冒頭のあいさつにもありますように2020年度はコロナウイルスの感染拡大の中、オンライン授業が中心の授業が行われました。情報科学研究センターでは、心配の種となったネットワーク環境や学習支援システムの見直しを行い、安定したオンライン授業環境実現に万全の体制で臨みました。以下に具体的な対策を記載いたします。


1.オンライン授業に向けた取り組み

【ネットワーク環境】
 城西大学のインターネット回線は1Gbpsのベストエフォート型の商用回線であることから、安定した通信速度を維持することができないのではないかとの心配が先生方や事務局から多数寄せられた。情報科学研究センターでは、WebClassやZoomの想定利用者数と実効速度を調査し、許容範囲内で授業展開可能と判断、学内に通知、授業開始を向かえる。(インターネット回線では大きな問題は発生しなかった。)
ただし、今後のネットワーク環境を考慮した回線増強の検討を続け、「SINET(学術情報ネットワーク)」への接続申請を行い10月25日に接続を完了した。これによりデータ伝送速度は10Gbps(当面は4Gbps)に向上し心配は回避される。

【学習支援システム環境(WebClass)】
 学習支援システム(WebClass)について、同時利用者数に制限(同時アクセス600名程度)があったことから、多数の先生方から心配する声が聞こえた。実際にWebClassの利用を控えた学科もあり、情報科学研究センターでは、以下の通り緊急にサーバ強化・調査を行った。

・サーバ強化内容
 既存のサーバ3台構成を倍の6台構成へ拡張し、約1,600名までの同時アクセスを可能とした。実質約4,800名まで対応可能と見込んだ処置を実施した。

・WebClass接続テストを実施
 2年生と3年生に依頼し、アンケートに回答してファイル(50MB)をダウンロードするという耐久テストを実施した。延べ1908名の協力があった。
テストの結果、最も負荷のかかる一斉操作を行っている人数は常時500人前後であったが、今回のシステム構成の場合、ほとんど負荷にはならないことが確認された。

【ソフト・ハード等の利用法の教育】
 非常勤講師を含む全教員が、オンライン授業をWebClassやTeams、Zoomで開講・運用できるだけのスキルを身に付ける必要があった。情報科学研究センターでは、基本的な利用方法についてマニュアル作成とサポートを行った。授業教材の作成やその利用方法のノウハウについては、オンライン講義特別プロジェクトチームならびに若手サポートチームにより情報共有が行われ、オンライン授業に関するアンケート結果からも全学部で多くの学生が順調に学習に取り組めたことがうかがえた。

【学生への支援】
 スマートフォンやPCを所持していない学生への支援として、PCを100台購入し、主に新入生へ貸し出しを実施した。


2.教学事務システム更新作業

 2020年夏季休暇期間を利用し教学事務システム(CampusmateV3)の更新作業を実施した。
 以下に新教学事務システムの特徴を記載する。
  • 情報セキュリティを考慮した運用システム(ネットブートシステム)
  • 学生に広く普及しているスマートフォンにも対応可能
  • 災害時に対応するため、教育研究システム(SCNL2018)に引き続き、主要な機器は学外データセンターに設置
  • IR(統合データベース)機能を盛り込むことにより、教育・研究・大学運営を強化・充実

以上

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