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聞きたくても聞けない薬科学科の「食品」Q&A


城西大学薬学部薬科学科<4年制・研究・開発>は、食品・美容・くすりの 専門家・技術者を育成します。このページでは薬科学科で学ぶ「食品」について受験生や進路を考えているたくさんの高校生に知ってもらいたくてQ&A方式で詳しく書いてみました。

ページ内目次


“研究をする”ことが薬科学科の特徴みたいですが、研究をするとどんないいことがあるのですか?

研究をすると、「世界ではじめての発見」がたくさん生まれます。高校までの実習と大学での研究の違いはここにあります。高校までの実習は教科書に書いてある結果が分かっている実験が多いのに対し、「研究」はやってみないとわからないことをたくさんします。やってみないとわからない、だから初めての発見が生まれるのです。研究(=新しい発見)を積み重ねることで新しい食品や化粧品、くすりが生まれてきます。こんな「世界ではじめての発見」をたくさん見つけることができるのは研究をたくさんする薬科学科の特徴だと思います。

薬科学科の「食品」って何ですか、医療栄養学科の管理栄養士の勉強と何が違うのですか。

食べ物には栄養素だけではなく、私たちの健康に影響を与える様々な成分が含まれています。ただ、普段何気なく食べている食べ物でも、実はまだ知られていない機能が隠されていることがあります。これらの機能は「研究」によって明らかにできます。薬科学科では、これら「研究」を通じて食の可能性を見つけ、新しい健康食につながる内容を学びます。

研究って難しくないのですか?できる自信がないのですが…

難しく考えることはありません。大学の先生方も一流の研究者も最初は何もわからないところからのスタートでした。どんな研究もやってみなければわかりません、だからやってみよう、の気持ちでやります。ですから一番大切なのは研究をすることや実験することが「好き」なことです。薬科学科の研究は研究室で先生や先輩たちにサポートされながらやりますので、「やってみたい」という気持ちがあれば研究はできます。

4年で卒業して就職する方がいいのですか?大学院に進学する方がいいのですか?

大学院に進学すると研究に対する高度な専門性を身に着けることができます。将来研究者や技術者として働きたい場合、そのような専門性が必須であることが多いため「大学院修了者」が入社の条件になることが多いです。一方で、医薬品会社の営業職(MR)や治験に携わる職(CROなど)、ドラッグストア(登録販売者)には4年で卒業して就職する人が多くいます。これ以外にも薬科学科には多くの卒業生がいるので、様々な進路があります。

食品の勉強はなにから始まるのですか?

薬科学科ではまずヒトの体の仕組みについての基本を学びます。これは、化粧品やくすりを勉強する上でも大切です。薬科学科は薬学部ですので他の学部よりも詳しく勉強できます。上級生になると「機能性食品科学」などといった、食品と健康に関する専門的な授業を受けることができます。そして、3年生からは研究室に入って実際に食品の研究をすることができます。

農学部で学ぶこととは違うのですか?

農学部でも食品の勉強することができます。しかし、薬科学科は薬学を基本として食品を学ぶことができます。私たちに毎日欠かせない食品は安全でなければなりません。そのためには体のしくみや、食品によって起こる病気について詳しく知る必要があります。薬学を基本として食品を学ぶことができる薬科学科は、これらの点を詳しく学ぶことができるので農学部で学ぶことのできない食品のことについて詳しくなることができます。

食品を専門に学んだ学生さんはもちろん、医薬品や化粧品を専門に学んだ学生さんも食品会社に就職しています。
食品に関する会社に就職した卒業生を紹介していますので、是非ご覧ください。

薬科学科を卒業して食品の会社に就職する人って、何をしているのですか。

新しい食品の研究、開発をしたり、食品を安全に製造するために衛生環境を管理したりしています。

サプリメントとか健康食品とかって、このごろ何でTVコマーシャルが多いのですか。

健康への関心が高まっているからです。サプリメントや健康食品が健康を保つのに重要であることが認識され始めているのです。

医療栄養学科で管理栄養士になれば国家資格です。薬科学科の「食品」の勉強って何がいいのですか。

管理栄養士は、すでに知られている栄養素の働きを考慮して健康を保つためのサポートを行います。薬科学科では、病気の発症を予防する食品、病状の改善をサポートする食品について勉強します。

「薬科学科で学ぶ食品って凄い!」って思うように、私に語ってもらえますか。

薬科学科では、医薬品の研究・開発に求められる高度な知識と技術を、食品の研究・開発に応用しています。特に薬科学科では化粧品も学べるので、「食べて美しくなる」ことを真剣に研究しています。

健康食品と薬は何が違うのですか。

薬も健康食品も化粧品も私たちの生活を健やかにするものです。薬は病気になったときに使いますが、健康食品は普段の生活から使用していませんか?つまり健康食品は私たちの生活により近いところにあり、安全性や効果などの基準が薬とは異なります。そこにどのような基準があるのかなど、薬科学科では詳しく学ぶ授業があります。

薬科学科で食品を勉強して、幸せを届けられる人になれますか。

食品は私たちの暮らしに欠かすことができません。おいしく、健康に食べることができるというだけで人々の暮らしを有意義にすることができます。それだけ、安心、安全の食を届けること人々の幸せにつながっていると考えられます。

薬科学科で食品を勉強している先輩は、どの人も食品にすごく興味があるのですか。

上級生になって食品の勉強をしている学生も全員が最初から食品にすごく興味があったわけではありません。薬科学科では「医薬品・食品・化粧品概論」や「薬科学実習C」などの科目で食品に関する授業、実習を受けることができます。はじめは他の分野に興味があった学生も、これらの関連科目を通じて食品に興味を持つきっかけをもっています。

薬科学科で食を勉強・研究するって、どんなイメージ?

最初に、薬科学科のニュースから、食に関するちょっと面白そうな話題をご紹介します。
  • トウガラシの辛さを決める遺伝子
  • うさぎの大好物と植物エキスが農業の未来を変える??

普段の食べ物について栄養や健康を考えながら食べることって少なくないですか?テレビで健康にいいといわれている食べ物も、スーパーで売っている食べ物も、実はわかっていないことがたくさんあります。
例えば機能性食品科学研究室(古旗教授・中谷助教)ではトウガラシの研究をやっていますが、研究に必要なトウガラシを自分たちで育ててます。栄養生理学研究室(片倉准教授・矢島助教)は脂質(あぶら)の研究をしていますが、その効果を見るために研究用のマフィンを調理実習のように作ることから研究が始まります。植物を育てることやマフィンを作って食べることって研究?って思うかもしれませんが実は立派な研究の一部なのです。どうでしょう、身近に感じませんか?

薬科学科で食の研究ができる研究室

私たちの生活に欠かすことのできない食べ物。最近は健康食品やサプリメントが普及しましたし、医食同源というように食べることで健康になるという考え方があります。そんな身近な食べ物に関係する研究・開発が学べる「機能性食品科学研究室」「栄養生理学研究室」があります。ここでは食を研究することによって食品が体の中でどのような影響を及ぼすかなどを研究しています。この2つの研究室を紹介します。

機能性食品科学研究室

医学の父、ヒポクラテスは「汝の 食事を薬とし、汝の薬は食事とせよ」という言葉を残しています。また、東洋には薬食同源という言葉があります。科学が発展した現在、食べ物の中に含まれる成分は全部わかっていると思っていませんか?実は、食べ物に含まれている成分はまだまだわかっていません。食べ物には栄養素の他、ヒトの身体に何がしかの影響を与える成分と何も影響を与えないであろう成分がたくさん含まれています。当研究室では、薬学、農芸化学、栄養学の視点を融合させ、どの食品成分がどのように身体に吸収され、ヒトにどんな影響を与えるか、分析化学や分子生物学的手法を用いて研究し、人々の健康に役立つ基礎研究をしています。

栄養生理学研究室

脂質には、温度によって固まりやすい脂質(飽和脂肪酸)と固まりにくい脂質(不飽和脂肪酸)が存在し、摂取する脂質の種類によって食後の生理作用が異なります。例えば、飽和脂肪酸を不飽和脂肪酸に置き換えるような食事をすることで肥満や糖尿病をはじめとした生活習慣病を予防できると報告する科学論文もあります。私たちの研究室では、様々な種類の脂肪を小麦粉に練りこんだマフィン(パン)を自作し、それらを摂取した被験者の血液や尿サンプルから「脂肪燃焼能力」や「糖代謝能力」を評価しています。私たちが毎日摂取する脂質の力で「肥満や糖尿病をはじめとした生活習慣病を予防できるか」、日々研究に取り組んでいます。

薬科学科にある「食品」の授業

「機能性食品科学A」

例えば、薬学部薬科学科3年次の専門科目「機能性食品科学A」のシラバス(授業内容)を紹介しましょう。
授業の目的・目標
食品には栄養な機能ばかりでなく、身体の生理的作用に働きかけて体調を調節する機能がある。この調節機能に着目した食品を一般に「健康食品」と呼ぶが、「健康食品」の定義は実に曖昧であり、その有効性・安全性を的確に理解するためには、これまで学んできた生化学、基礎栄養学などの知識を活用する必要がある。薬科学科のディプロマポリシーに掲げる食品・栄養と健康・疾病について理解のある薬科学研究者・技術者として関連する広範な分野で主体的、協調的に貢献できる能力を身につけるために、機能性食品科学Aでは、健康食品の概念、医薬品との相違、日本で保健機能食品として食品群について、法規上の位置付け、有効性の機序、安全性の確保についての基礎を習得することを目的とする。

講義スケジュール

1. 序論・食品の定義

食品の概念と健康との関わりについて説明できる。

2. 食の機能と健康

食品の3つの機能と食生活の変遷と疾病の関わりについて説明できる。

3. 医薬品と食品

医薬品と食品の区分について法律的な観点から説明できる。

4. 健康食品の品質

健康食品の品質について適正製造規範(GMP)を関連づけて説明できる。

5. 保健機能食品制度1(特定保健用食品)

保健機能食品制度の変遷と特定保健用食品の有効性・安全性評価、表示について説明できる。

6. 保健機能食品制度2(栄養機能食品)

栄養機能食品の目的と特定栄養成分の種類、表示について説明できる。

7. 保健機能食品制度3(機能性表示食品)

機能性表示食品制度ができた経緯とその目的、有効性・安全性確保のための仕組みを説明できる。

8. 保健機能食品制度4(特別用途食品)

特別用途食品の目的、種類、有効性について説明できる。

9. 特定保健用食品の種類1(お腹の調子を整える)

食物繊維、オリゴ糖、糖アルコールのトクホ関与成分としての働きを説明できる。

10. 特定保健用食品の種類2(血糖値対策)

糖の吸収を阻害するトクホ関与成分、糖分解酵素を阻害するトクホ関与成分の働きを説明できる。また、グリセミックインデックスについて説明できる。

11. 特定保健用食品の種類3(血中中性脂肪、体脂肪対策)

中鎖脂肪酸、ジアシルグリセロールなどの構造脂質が体脂肪になりにくいメカニズムを説明できる。また、食事中の脂肪の吸収を抑制したり、体脂肪の代謝を促進するトクホ関与成分について説明できる。

12. 特定保健用食品の種類4(血中コレステロール対策、血圧対策)

食事由来コレステロールの吸収阻害作用、体内コレステロールの代謝促進作用をもつトクホ関与成分について説明できる。ACE阻害による血圧上昇抑制作用をもつトクホ関与成分について説明できる。

13. 特定保健用食品の種類5(骨の健康維持、歯の健康維持)

カルシウムの吸収促進、骨形成促進に関与するトクホ成分について説明できる。非う蝕原性作用、エナメル質の再石灰化促進作用をもつトクホ関与成分について説明できる。

14. 健特定保健用食品の種類6(鉄の吸収促進)

鉄の吸収における、ヘム鉄と無機鉄の違いを説明できる。

15. フィトケミカル、まとめ

健康食品素材として植物性化学物質(フィトケミカル)の利用について説明できる。機能性食品科学Aで学んだことを概説できる。

入試・高校の授業・奨学金についてのQ&A

一般選抜について教えてください

受験勉強をがんばってきたあなたは、一般選抜に挑戦してみましょう。一般選抜の試験内容は筆記試験です。(これは2021年度入試の内容です)
「化学」(化学基礎・化学)または「生物」(生物基礎・生物)から一科目選択し、「英語」(コミュニケーション英語I・コミュニケーション英語II・英語表現I)もしくは「数学」(数学I・数学II・数学A・数学B(数列・ベクトル))または「国語」(国語総合・国語表現(古文・漢文を除く))から一科目の計2科目です。

どの教科についても、まずは教科書レベルの基礎をしっかりと理解することが大事!基礎をしっかりとおさえてから、これまでの過去問題にもチャレンジしましょう。最初は難しいと感じる問題もあるかもしれませんが、基礎がしっかりできていれば、きっと正解を導けると思います。

大学共通テスト利用選抜について教えてください

受験勉強をがんばってきたあなたには、大学入学共通テストを利用した受験もおすすめです。受験科目は、共通テストからは理科②(「化学」「生物」のどちらか高得点科目)に外国語(英語)、数学、国語から一科目です。どの教科についても、まずは基礎をしっかりとおさえた上で、対策を進めましょう!(これは2021年度入試の内容です)

総合型選抜について教えてください

勉強だけでなく部活や課外活動もがんばってきたあなたには、総合型選抜がおすすめです。総合型選抜の試験内容は、一次審査が書類選考、二次審査が面接と基礎学力試験(化学・化学基礎または生物・生物基礎)です。(2021年度入試になります)基礎学力試験では教科書レベルの基礎をしっかりと理解しておくことが大事です。面接では「なぜ薬科学科で学びたいか」について詳しく聞きます。薬科学科は研究を通じて、学ぶ学科です、高校までの理科で「化学・生物が好きだった」ことや「実験が好きだった」ことなどを考えてみてください。その熱い思いは必ず薬科学科での学びに繋がります。

学校推薦型選抜について教えてください

学校の勉強をがんばってきたあなたには、学校推薦型選抜がおすすめです。ご希望の場合、まずは高校の先生に相談しましょう。学校推薦型選抜の試験内容は面接。面接では「なぜ薬科学科で学びたいか」について詳しく聞きます。薬科学科は研究を通じて、学ぶ学科です、高校までの理科で「化学・生物が好きだった」ことや「実験が好きだった」ことなどを考えてみてください。その熱い思いは必ず薬科学科での学びに繋がります。

高校の時に生物を履修していませんが、大丈夫ですか?

生物は薬科学科でも基礎から学んでいきます。1年生のスタートアップ講習会では高校の生物の復習をする機会があります。高校で生物を履修していなくても全く問題ありません。大学での学習にしっかり取り組みましょう。

高校の時に化学を履修していませんが、大丈夫ですか?

化学は薬科学科でとくに重要な科目ですが高校で化学を履修していなくても大学で基礎から学ぶことができます。1年生のスタートアップ講習会では高校化学の重要点を復習をする機会があります。大学での学習にしっかり取り組むことができれば十分に進級することができます。

高校の時に物理を履修していませんが、大丈夫ですか?

高校で物理を履修していなくても大学で基礎から学ぶことができますので、大学での授業を真面目に取り組めば問題ありません。1年生の科目に「基礎物理学」がありますので、知識が不足している場合でも安心して学ぶことができます。

数学が苦手ですが、大丈夫ですか?

薬科学科の研究では様々な計算を使うことがあります。しかし、複雑な応用問題を解く必要はなく、基本概念を理解して、簡単な計算を間違えないことこそが重要です。1年次の科目「薬学数学演習」などで必要な数学は学びますので、大学での学習にしっかり取り組むことが大切です。

奨学金制度はどのようなものがありますか?

広く大学生に利用されている奨学金は、国の育英事業である日本学生支援機構奨学金(貸与)です。薬学部学生への貸与金額は月2万円から14万円で、無利子貸与と有利子貸与があります。高校生のときに予約採用制度を活用すると安心です。高校の先生に聞いてみてください。
城西大学独自の奨学金には、特待生制度とグローバルチャレンジ奨学金制度があります。特待生制度は一般選抜A日程の選考基準を満たした成績上位合格者に対して授業料を全額または半額免除する制度です。グロ―バルチャレンジ奨学金制度は学校推薦型選抜および大学入学共通テスト利用選抜において該当者に入学後30万円を支給します。
入学後には、人物・学業共に優秀な学生を対象に30万円を授業料の一部として支給する城西大学奨学生制度があります。その他にも国際的に活躍できる人材育成支援を目的とした水田三喜男記念奨学生制度、女性の高度な専門能力・技能の習得や問題を解決する力の育成を目指した女性リーダー育成奨励生制度、入学後経済的理由などにより修学が困難な学生の支援を目的とした学校法人城西大学上原育英奨学金制度などがあります。

大学院進学についてのQ&A

薬科学科の卒業生は、大学院に進学する人が多いってききました。それなら6年制の薬学科で薬剤師めざすのと同じです。何で大学院に行くのですか。

大学院では、薬科学に関するより高度で最先端の知識と技能を身につけます。研究室での実験に没頭することでより深く専門領域を学んでいきます。科学技術が日々進歩している世の中は、このような人材を必要としています。大学院修了後は、医薬品・化粧品・食品などの各専門領域で、研究者・技術者として活躍しています。

私は家計を考えると大学院進学は大変です。経済的な負担は大きいのですか。

大学院の授業料は、学部に比べておよそ半額です。また、学内で大学院に進学した場合、入学金も免除されます。希望する大学院生には日本学生支援機構からの奨学金を受けることができます。この奨学金には返還免除制度があります。また、ティーチングアシスタント制度があり、教員の教育活動をサポートすることで給付金を受けることができます。以上のように、種々の制度により、経済的負担を軽減することができます。

最後に

城西大学は、建学の精神「学問による人間形成」に基づき、社会に有意な人材を育成するとともに、人類文化の発展に寄与することを理念としています。これを読まれた方が薬学の世界の食品研究に興味や関心をもっていただければ光栄です。

城西大学薬学部薬科学科

所在地:〒350-0295 埼玉県坂戸市けやき台1-1
城西大学 坂戸キャンパス
設置 2006年(平成18年)4月

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