Special Interview 2
数学(純粋数学)分野
代数幾何学専門 古川 勝久 准教授
●目に見えない高次元の図形を、代数を用いて考える
◆FOCUS◆ 多変数の多項式を
アルゴリズムによって計算する
アルゴリズムによって計算する
セミナーでは発展的内容として、多項式によって定義された高次元における代数多様体の幾何学を探求しています。その前段として代数・アルゴリズムによる多項式論や、それを扱う可換環の理論を学んでいきます。高次元の多項式とは、簡単にいうと「x1,...,xn」といった多変数で考えますが、その分析には様々な方法があり、私がひとつ用いているのが、多変数の多項式を順序づけ、アルゴリズムによって計算する「グレブナ基底」という概念です。多変数多項式の割り算も含めて、これらは数学におけるさまざまな計算を可能にするのはもとより、工学などを含めたあらゆる分野に広く応用の道を開く理論研究です。
◆FOCUS◆ 高校数学と大学数学の違いって?
多変数多項式のつくる図形は、大学4年生のセミナーのテーマなので、高校生のみなさんには手強かったかもしれません。でも段階を踏んで学べば、充分に理解できるようになります。そのためにも数学の勉強は、基本的なところからゆっくりと、着実に習得することが肝心です。大学数学の入口として代表的なのが、授業科目でいえば「数学序論」です。この科目では高校の「数Ⅲ」の内容も復習しますが、大学の授業ですから、数Ⅲでは曖昧になっていた部分もしっかりと学びます。